スペースワールド、資金集まらなかった花火イベントを自費で開催へ

2017年11月16日 07:46

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 年末に閉園を発表している福岡県北九州市にあるテーマパーク、スペースワールドは13日、最終日の花火イベント「シャトル花火イリュージョン」を全額自費で予定通り開催すると発表した。スペースワールドは花火の費用の半分を賄うためネット上で小口資金を募集するクラウドファンディングを実施。目標額に達しなかったため、規模縮小や開催の可否を検討していた。

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 花火イベントはスペースワールドのシンボルであるスペースシャトルの模型を背景に花火や音楽で演出をするもので、来場者の人気も高く、2007年まで実施されていた。クラウドファンディングは9月22日から11月5日までの45日間実施され、目標額に1,500万円に対し出資者864人から集まったのは約925万円であった。寄付金は、目標額に達しなかったため規定により出資者に返却されるものの、花火イベントの開催を希望する声も多く、自社資金での開催を決めた。

 スペースワールドは1990年4月に八幡製鉄所の遊休地に第三セクター方式で開業。国内初の宇宙をテーマとしたレジャー施設でオープン当初から人気を呼び、1997年には来場者数が年間200万人を超えた。しかし、翌年の事故を境に入場者数が減少し、2004年には債務超過となった。翌2005年には民事再生法申請するも、同年8月には札幌でスキーリゾートなどを運営している加森観光に営業譲渡に至った。その後も大幅なリストラや新規アトラクション整備を行うも客足の大きな回復はなく、今年末で閉園することを発表していた。

 閉園発表後は従来のアトラクションに一工夫加えたものをスタート。昨年11月の5,000匹の魚を氷漬けしたスケートリンクは批判が多く企画中止となったものの、ジェットコースターに乗りながらマッサージを受けられるツボ押しコースターや、怪談仕立ての観覧車などが人気だ。現在はスケートリンクの氷が持ち帰ることができる。また、テレビCMも昨年の批判を逆手に取ったものや、かつての人気バラエティー番組を彷彿とさせるものなどがあり、話題を呼んでいる。

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