NYの視点:トランプ米大統領勝利から、1年

2017年11月9日 09:33

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記事提供元:フィスコ


*09:33JST NYの視点:トランプ米大統領勝利から、1年
2016年11月8日に行われた米国の選挙で、トランプ大統領のサプライズ勝利から、1年たった。ダウ平均株価はトランプ大統領勝利後、28%上昇。企業決算は過去最高を記録。法人税減税期待も決算押し上げを支援したと考えられる。また、世界経済の成長回復ペースも加速。エネルギー生産に関する規制緩和など、様々な分野での規制緩和が奏功し、ビジネス、フレンドリーな環境が整った。雇用も拡大を続けている。

一方で、医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃、代替案の成立は先送りされた。また、税制改革法案も年内の成立を目指しているのの、資金源になると見られていたオバマケア撤廃の失敗で、財政赤字の拡大が懸念材料となり、共和党内での協議が難航すると見られている。インフラの実施はそれより先になる。選挙で掲げていた主要課題がひとつも実現していないことは失望感につながっている。

2018年の中間選挙を占ううえで注目されていた7日実施のニューヨーク、ニュージャージー、バージニア州の知事選で民主党が勝利した。リベラルなニューヨーク、ニュージャージー州は常に民主党が主流の州として知られ、ニュージャージー州ではさらに、クリスティ州知事の支持率低迷のあおりを受け、民主党勝利が事前から織り込み済みだった。しかし、特に、共和党と民主党の候補者間で揺れるswing state接戦州として知られるバージニア州選挙の結果には注目が集まっていた。支持率が低迷しているトランプ大統領と距離を置く方針をとった共和党候補は、民主党のラルフ・ノーサム副知事に負けた。

中間選挙に向け共和党、トランプ政権にとり税制改革案を年内にまとめ実施することは不可欠となる。米上院は税制改革法案を9日午前11時30分に発表することを明らかにした。

■トランプ米大統領勝利から1年の動き
●企業決算は過去最高
●世界経済の成長回復
●法人税減税期待も決算を押し上げ要因に

●大統領選挙後の1年目の株高
1.48%、フランクリン・ルーズベルト大統領
2.31%、ハリー・トルーマン大統領
3.28%、ドナルド・トランプ大統領
4.25%、リンドン・ジョンソン大統領
5.23%、ジョージ・W・ブッシュ大統領《HT》

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