JR東日本、「視覚障害理解」の促進キャンペーンを水戸駅で実施

2017年11月4日 11:39

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運動のイメージ。(写真: JR東日本の発表資料より)

運動のイメージ。(写真: JR東日本の発表資料より)[写真拡大]

 JR東日本・水戸支社は、11月10日に茨城県立盲学校による「視覚障害理解促進キャンペーン」のPR活動を水戸駅で実施する。

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 これは、同社が2017年9月19日から11月19日まで行っている「声かけ・サポート」運動強化キャンペーンに連動したもので、地域社会で点字ブロックへの理解を深め、視覚障害者のホームからの転落防止を促進しようとするもの。

 「声かけ・サポート」運動は、駅を安全・安心に利用してもらえるよう、困っている利用客に積極的に声をかけ、手助けしようとするもので、視覚障害者に限って行っている事ではない。

 しかしながら、ホームからの転落事故のうち、視覚障害者が被害に遭うケースは思いのほか多く、使い慣れた駅での転落は社会的弱者に対しての配慮の在り方を広く社会に問う問題となった。

 こうした転落を防ぐべく、JR東日本でも駅構内への内方線付点状ブロック整備や転落防止柵の設置などを急いでおり、安全対策にかける予算も年々増やしているが、現時点での設置状況は満足のいくものではない。

 こうした状況を踏まえ、当日は水戸駅改札前コンコースにて、15時30分から16時30分の1時間、茨城県立門学校PTAや視覚障害児(者)親の会、水戸市福祉科などがJR東日本水戸支社と共同で、本キャンペーンのPRを掲げたメッセージ付きばんそうこうや入浴剤を配布する。また、茨城県立盲学校のキャラクター「てんじブロックん」もこのPRに一役買うこととなった。

 点字ブロックの上に立ちはだかったり、不用意に荷物を置くことはそもそもが視覚障害者の安全歩行を阻害することにつながる。したがって、点字ブロックは視覚障害者の安全な歩行路だとする認識を新たにするべきだろう。また、転落防止柵がないところでも、視覚障害者の安全な歩行は、声かけひとつで確保できる。

 そうした社会的弱者への思いやりの精神を喚起させることがこのキャンペーンの本質と言えよう。(記事:M_imai・記事一覧を見る

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