地政学リスクが高まりドル円は反落、10月26日のドル円為替

2017年10月26日 11:11

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 10月25日(すべて日本時間で表示)に発表された経済指標の好調ぶりもあり、10年債利回りは2.47%まで上昇し、114円20銭を突破するところまで伸ばしたが、ニューヨーク市場の終盤は反落した。CNNが、北朝鮮による太平洋上での大気圏核実験の可能性を報道したためだ。地政学リスクが高まり、ドルが売られ円が買われることになった。10年債利回りは2.43%まで反落、26日1:30ごろには1ドル113円48銭の下値をつけた。

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 やはり北朝鮮の動向には敏感になっている。中国共産党大会も終了し、北朝鮮がいつ動いてもおかしくない情勢だ。10月24日早朝には生物兵器開発のニュースで1ドル113円24銭までリスクオフ、25日には大気圏核実験のニュースで1ドル113円48銭までリスクオフ。実際のアクションを起こしたときにはさらに大きな変動が予想される。

 しかし、ドル買いの材料も多いために現状の下値は限定的だ。12月の追加利上げ、大規模税制改革に向けて予算決議案も下院で可決の見通しである。FRBの次期議長にはタカ派のテイラー教授の可能性も高まっている。そのため25日のロンドン市場では、ドル買いが盛んになり、14:35ごろには1ドル113円74銭だったのが、10年債利回りが2.45%まで上昇したこともあり、18:55ごろには1ドル114円24銭の上値をつけている。

 21:30には9月耐久財受注速報値が事前予想の+1.0%を大幅に上回り、+2.2%であった。除輸送用機器の結果も事前予想の+0.5%を上回る+0.7%となっている。23:00には9月新築住宅販売件数が発表され、2007年10月以来となる66.7万戸と、事前予想の55.4万戸を大幅に上回っている。どちらのタイミングでもドル買いの材料となり、1ドル114円台を突破する要因になっているが、ダウ平均株価の下落から利益確定の売り注文が多くなっているためにドルは下落傾向だ。

 本日は21:30に前週分の失業保険申請件数の発表、23:00には9月住宅販売保留指数の発表となっている。再び114円台へ回復できるのかに注目が集まるだろう。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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