【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆原油55ドル突破はあるか◆

2017年10月22日 09:50

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記事提供元:フィスコ


*09:50JST 【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(2):◆原油55ドル突破はあるか◆

〇米インフレ観の攻防、原油相場が攪乱要因にも〇

先送りされていた日米経済対話がアッサリ終了した。日米FTAやTPPは議題にならず、対日貿易赤字も問題にならなかったようだ。項目では、対日自動車輸出促進へ、騒音・排出試験の簡素化で合意、アイダホ産ジャガイモと日本の柿の相互輸入制限解除、インフラ整備やLNG輸出の協力など。対北朝鮮圧力強化確認は大前提だが、麻生副総理が出掛けるまでもない内容(日本の封じ込め成功)。

当然、為替も話題にならなかったようで、ドル円は米金利動向で揺れ動く展開。新たに、トランプ—ジョン・テイラー(スタンフォード大教授、元財務次官、タカ派と見られている)会談、イエレン議長との会談が19日に行われると伝えられた。長めの金利は動かなかったが2年物国債利回りが一時、1.546%に上昇、08年11月以来の水準。

市場では話題になっていないようだが、WTI原油相場が一時52.37ドル/バレルに上昇したことも影響したと見られる。WTIの今年の高値は2月の54ドル台で、55ドルに乗せてくるようだと様相が変わる公算大。

押し上げ材料は、クルド独立を巡るイラク軍との緊張の高まり。背後にトランプ大統領がイラン核合意の放棄姿勢を示したことも中東地政学リスクの高まりと認識されている。IS首都のラッカが事実上陥落、中東はポストISの展開に向かっている。メディア報道されていないが、イスラエル空軍がシリア・ミサイル基地やイランの対ヒズボラミサイル供与での運搬車両を頻繁に空爆しているともされる。米国と対立するトルコも絡み、情勢は複雑化している。イラン自体も内部の権力闘争劇化が伝えられる。

OPECは18年7-9月期末までに供給超過解消を目指し、なかなか足並みが揃わないものの、減産強化に取り組んでいる。米国のシェール生産はハリケーンなどの影響で、増勢一服観が長期化する可能性がある。需給バランスに方向感はなく、米週間在庫統計に一喜一憂する展開。

投機筋の買い意欲を抑えて来たのは、世界的なEV(電気自動車)促進の流れと見られるが、13日、米NASAなどの研究者が「炭素排出量急増の原因はエルニーニョ、熱帯の乾燥で光合成が困難になったことが原因」とする報告を科学誌サイエンスに行った。また、11日、アイスランドで小規模ながら、大気中のCO2を鉱物化して貯留するパイロットプラントが稼働した。CO2を回収し、水と混ぜて地下700mの玄武岩層に注入すると炭酸塩鉱物に変換して貯留できると言う。今まで数百年単位掛かると見られていたものが2年程度で、かつ低コストで実現できるとされる。また、太陽電池でCO2を水素ガスと一酸化炭素が混在する合成ガスを生成する技術を米イリノイ大シカゴ校の研究者が特許出願していると伝えられる(二セレン化タングステン触媒がカギ)。

意図的かどうか分からないが、CO2排出制限を超える技術革新の動きはあまり報道されない。制限がなくなった時は、安定した仕組みがある石油資源利用の見直しが起こる可能性があり、心理的な需要抑制の見方が是正されよう。足元は中国やインドの需要増勢が注目される。

以上

出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/10/17号)《CS》

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