2017年秋の洋画でおすすめはこれ!生存戦略を描く「ダンケルク」

2017年10月20日 11:32

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実際のダンケルク海岸にて撮影がおこなれた映画「ダンケルク」。ストーリーはもちろん、戦争物としてのリアリティも〇。(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

実際のダンケルク海岸にて撮影がおこなれた映画「ダンケルク」。ストーリーはもちろん、戦争物としてのリアリティも〇。(c) 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.[写真拡大]

■芸術の秋におすすめしたい映画「ダンケルク」

 2017年も多くの映画が登場した。邦画の勢いは増す一方だが、洋画の中から2017年秋におすすめしたい一本が「ダンケルク」だ。新「バットマン」シリーズで脚光を浴びたクリストファー・ノーランが実話に基づいた映画に挑戦した作品だが、彼の作品らしくヒューマンドラマに昇華された逸品だ。

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■映画「ダンケルク」とは

 映画「ダンケルク」はクリストファー・ノーラン監督の最新作。第2次世界大戦において戦場となった「ダンケルク」を舞台にしており、イギリスとフランス軍の奇跡の救出劇にフォーカスしている。

 1940年5月26日から6月4日、第2次世界大戦がはじまって間もない頃。イギリス・ベルギー・カナダ・フランスによって編成された連合軍兵は、ポーランドに侵攻したドイツ軍との戦闘中であった。ドイツの勢いは強く、ダンケルク海岸では、フランスとイギリス軍がドイツ軍に包囲されて撤退することになっていた。

 しかし、幾多の兵隊を自国へ送還することも難しく、援軍も来ない孤立無援の状態に陥っていた。戦場に立たされた英国陸軍の兵士であるトミー2等兵(フィン・ホワイトヘッド)もダンケルクに取り残された一人。街中でもドイツ軍の銃撃にあい、命からがら海岸まで出ることができる。しかし、そこには幾人もの兵士がただ救援を待つ状態で、一向に自分が助かる気配はなかった。

 海岸をうろついていると、無口な兵士・ギブソン(アナイリン・バーナード)が友軍の遺体を海岸に埋めているところだった。二人は無言ながら今すべきことを互いに察知し、遺体を埋めてからダンケルクを脱出するための行動を取り始める。

 彼らはケガ人が率先して救援船に運ばれるのを見て、担架を用意して救援船に乗り込もうと作戦をはじめる。

 ダンケルクから兵士を助けるため、イギリスでは「ダイナモ作戦」という民間船を使った救出作戦の準備がはじまっていた。その作戦の対象となった船長のドーソンは、息子のピーターとジョージを連れてダンケルクに向けて独自で出発する。そして、救出船を援護するために空軍も駆り出され、本作戦のキーパーソンとなるファリアとコリンズも戦闘機で出陣していた。

■「戦争」よりも各シーンにおける濃い人間ドラマがウリ

 映画「ダンケルク」は第2次世界大戦において起きた実話が元になっている映画だ。しかし、ミリタリー色が強い映画というよりも、その作戦の中で生きようとする人間にフォーカスした「生存戦略」をテーマにした映画となっている。

 また、本作では陸・海・空それぞれのシーンに分けて物語が進行している。各シーンでは中心となる人物の視点で物語が進み、「ダイナモ作戦」においてどのような人間が参加していたのかわかりやすくなっている。それぞれの人間が何としても生き抜こうとする姿勢は自然と現代人の心を打つ。

 映画「ダンケルク」は全国の映画館にて上映中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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