ヤマト運輸、宅配に電動トラック「eキャンター」を導入へ

2017年10月14日 16:29

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eキャンター。画像は北米仕様のもの。(画像:三菱ふそうトラック・バス発表資料より)

eキャンター。画像は北米仕様のもの。(画像:三菱ふそうトラック・バス発表資料より)[写真拡大]

 宅配最大手のヤマト運輸は、クロネコヤマトの配送用に電動トラックを導入する。日本経済新聞が報じた。

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 三菱ふそうトラック・バスが量産を開始したばかりの、世界初の量産電気トラック、eキャンターを、年内に25台調達する予定であるという。

 ヤマト運輸が運用する車両は、グループ全体で約5万台。当然のことながら燃料費の負担は大きく、2016年度には約200億円であった。これまでも、2013年にトヨタ自動車及び日野自動車と協力し、電動小型トラックを集配業務に使用する実証運行を実施。三菱自動車とも、2010年に「ミニキャブバン」をベースにした試験車で実証実験を行っている。

 ヤマトに限らず運輸産業全体で現在人手不足が蔓延しており、人件費は高騰傾向にある。電動トラックはディーゼル車よりも走行コストが低く、車両そのものは現状まだ高額であるとはいえ総合的なコストが低いため、導入によるコストダウンを狙う。

 eキャンターは今年度から日本、アメリカ、欧州で納入が開始された。7月に川崎工場で生産が開始されており、国内での計画生産台数はさしあたり50台。うち半分はセブンイレブンへの納入が決まっているため、残りをヤマトが購入することになった、という形である。

 1回の充電で約100キロメートルの走行が可能であり、都市部での配送などには十分だ。ヤマトでは今後、実際の運用面の検討を行い、eキャンターのさらなる導入を行っていくかどうか、検討していくものとみられる。

 本件と直接の関係はないが、いくつかの国が「ガソリン車の全廃とEV車の全面的導入」を期限を定めた上で国是に掲げるなど、EV化の波は国際的に進行中である。いずれ遠くないうちに、街で見かけるおなじみのクロネコヤマトのトラックも、みなすべて電気自動車に置き換わっていくのかもしれない。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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