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日本自動機工、ゴム製ダムで東南アジアなど海外市場に進出へ
日本ではあまり見かけないが、世界的には普及しているダムの規格として、ゴム製のダム、ラバーダムがある。日本で初めてラバーダムを開発した日本自動機工は、その東南アジアへの売り込みを図っている。
日本はダムの安全基準が厳しいため、ダムは鉄筋コンクリート製のものが多い。ちなみに、鉄筋コンクリート製のダムを「通常型」という。だが世界的には、通常型のダムよりも設置が容易な、ラバーダムが広く普及している。
一般的なラバーダムは、ゴムチューブを固定し、空気を充填して膨らませ、河川の水をせき止めるという構造になっている。建設も維持管理費も安く上がるメリットがある。
日本自動機工にとっては、ラバーダム(同社ではゴム堰とも言う)は主力商品である。メンテナンスフリー性が高く、油圧シリンダーなども不要で、油漏れを起こすような心配もない。だが治水効果は十分に期待することができる。
メンテナンスフリー性が高いとはいえ、ゴムであるので寿命の限界はある。インドネシアでは1990年代にラバーダムが建設ラッシュであったので、現在、更新期を迎えている。つまり売り込みのチャンスだというわけである。1990年代に主流だったのは中国製のラバーダムであったそうだが、日本自動機工によれば中国製は摩耗が早く故障が発生するなどの問題があるといい、取り換え需要が見込めるという。
ちなみに、日本自動機工のラバーダムはあらゆる法勾配での設置が可能で、水路から河口まで様々なサイズの河川に対応できる。充填方式にも空気式と水式があり、ゴムはフィンなし(幅継タイプ)とフィン有り(レイフラットタイプ式)がある。
また、日本ではあまり見かけないとは書いたが、もちろん日本自動機工のラバーダムは国内納入事例もある。福島県いわき市蛭田(びんだ)川、栃木県下野市姿川、青森県の浅水川などで現役で用いられている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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