【編集長の視点】マーケットエンタは反落も営業黒字転換予想業績に買取拠点開設が加わり低位値ごろ株買いの再燃が有力

2017年9月15日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)は、前日14日に12円安の611円と6営業日ぶりに反落して引けた。北朝鮮が、国連安全保障理事会の新制裁決議に対して反発声明を発表したことで地政学的リスク懸念が強まり、日経平均株価が、4日ぶりに反落したことが波及し、同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値では、今2018年6月期営業利益の黒字転換予想を手掛かりに、低位値ごろ株買いが続いており、今年9月6日には同社9カ所目の買取拠点「西東京リユースセンター」(東京都府中市)をオープンさせたことも押し上げ材料視され、前日後場取引時間中の安値597円からは14円引き戻した。今年6月に開設した富裕層向けの買取コンセルジュサービス「プライベートバイヤー」などの新サービスの開始でストップ高を繰り返した急騰特性の再現期待も高めている。

■農機具販売などの取扱商品拡充に西東京リユースセンターなどの新拠点開設がオン

 同社の今2018年6月期業績は、売り上げ66億円(前期比17.2%増)、営業利益5500万円(前期は700万円の赤字)、経常利益5100万円(同400万円の黒字)、純利益2900万円(同1900万円の赤字)と予想され、売り上げは、2006年7月の会社設立以来、11期連続の増収となり、営業利益、純利益は黒字転換する。同社は、ネットに特化した中古品の買い取り・販売事業(リユース事業)を展開し、同事業は消費者の節約志向・低価格志向を追い風に堅調に推移しており、前期、今期を中長期的な飛躍に向けた戦略的な投資期間と位置付け、徳島コンタクトセンターの新規開設などの設備の拡充、人員の増員、取扱商品カテゴリーの拡大、「宅配レンタル」、「MVNO(仮想移動体通信)サービス」などの新規サービスのリリースなどを進めている。

 この先行投資のために前2017年6月期業績は、小幅赤字となったが、今期は、さらに農機具などの取扱商品のカテゴリーの増加や、2拠点の開設効果によって買取数の20%増加を見込み、設備・人員拡充費用増もWebマーケティング活動の効率化などでカバーして黒字転換すると予想している。実際に拠点開設では、9カ所目の買取拠点となる「西東京リユースセンター」を期初早々の今年9月に開設しており、ネットとリアルの融合効果を発揮し業績を押し上げることになる。

■値固め終了の25日線水準から急騰特性の再現期待を高めて年初来高値奪回に発進

 株価は、業績の水面下推移が響き昨年11月には2015年12月末に実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利落ち後安値461円まで突っ込み底固めを続けたが、「宅配レンタル」などの新規サービス開始でストップ高を繰り返して年初来高値752円まで6割高と急騰し、足元では25日移動平均線水準を出没する中段固めを続けてきた。時価総額が、約31億円と東証マザーズ市場の時価総額下位ランキングの20位に位置する急騰特性含みの低位値ごろ小型株として、ディフェンシブ株人気の拡大は期待十分であり、年初来高値奪回に向け弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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