NYの視点:ユーロ買い持ち07年来高水準、今週の注目: 米税制改革、8月雇用統計、コアPCE

2017年8月28日 07:37

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記事提供元:フィスコ

*07:37JST NYの視点:ユーロ買い持ち07年来高水準、今週の注目: 米税制改革、8月雇用統計、コアPCE
短期投機家・投資家の円の売り持ち高は前週からさらに減少した。
ユーロの買い持ち高は2007年4月来の高水準近くで推移。

今週は税制改革の進展に注目が集まる。トランプ政権の経済チームの中で、税制改革法案の成立に向けて指揮をとっている国家経済会議(NEC)のコーン委員長は、政府が来週から税制改革成立に向けて本格的に起動することを英フィナンシャルタイムズ紙とのインタビューで明らかにした。

トランプ米大統領は30日のミズーリ州での会合を皮切りに向こう数週間、全米数か所を訪問、税制改革への支持を国民に呼びかける。各地で会合を開き、米国で税制改革の重要性を説いていく。コーン委員長は税制改革案が年内に上下院を通過することに自信を表明した。同時に債務上限問題の行方にも注目が集まる。トランプ大統領はメキシコ国境の壁建設資金が獲得できなければ政府閉鎖も辞さないと警告。しかし、ムニューシン財務長官は、マッコーネル共和党上院院内総務と同じく、債務上限が引き上げられると「100%確信している」と言及。

米国の金融政策の行方を探る上では、4−6月期国内総生産(GDP)の改定値や8月雇用統計、インフレ指標に注目が集まる。雇用統計では、失業率が16年ぶりの低水準を維持。雇用も20万人前後の伸びを見せる見込み。労働市場が引き続き堅調である新たな証拠になると見られている。注目は賃金の伸び。賃金が伸びを見せると、年内の追加利上げ観測が再燃しドルを支えることになる。連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレの指針として注視している個人消費支出(PCE)のコア指数は前年比+1.4%と、6月+1.5%から低下と、2年ぶりの低水準に後戻りすると見られている。4−6月期GDPの改定値は+2.7%と、速報値の+2.6%から上方修正が予想されている。しかし、FOMCの期待、予想に反して低インフレが長期化する様相を見せており、年内あと1回の利上げには依然懐疑的な意見が大半を占める。

欧州は、英国と欧州連合(EU)離脱協議を再開する。

■今週の主な注目イベント

●米国

30日:トランプ米大統領、ミズーリ州で税制改革に関するキャンペーン開始、パウエルFRB理事講演、4−6月期国内総生産(GDP)改定値:予想前期比年率+2.7%(速報値+2.6%)個人消費:予想前期比+3.0%(速報値+2.8%)価格指数:+1.0%(速報値+1.0%)
31日:7月PCEコア:予想前年比+1.4%(6月+1.5%)

9月
1日:8月雇用統計:失業率予想:4.3%(7月4.3%)非農業部門雇用者数:予想前月比+18万人(7月+20.9万人)、NAFTA再交渉の第2回会合

●欧州
28−29日:英国とEU離脱協議再開

●地政学的リスク
北朝鮮
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
トルコ《CS》

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