柔道世界選手権、28日に開幕 新ルールが初適用

2017年8月24日 21:13

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 28日よりハンガリー・ブダペストにて柔道世界選手権が開催される。昨年、国際柔道連盟より発表され、今年に入り導入されている新ルールが適用されてる初めての世界選手権となり、大きな注目を集める大会となりそうだ。

■試合展開に大きな変化も
 新ルールの主な変更点として、これまで5分だった男子の試合時間が女子と同じ4分に、また、ポイントの「有効」がなくなり、合わせ技での一本も廃止となった。抑え込みでの技ありも、これまでの15秒から10秒へと短縮となり、試合時間内のわかりやすい形での決着がつけられることが狙いとなっている。

 試合時間の短縮も、序盤から観ている側にも積極的な姿勢での攻防が伝わることによって、柔道人気を再び高めていくことが期待される。

 また、これまで外国勢に対し、有効や指導でのポイントを先に奪われ、逃げ切られるパターンでの敗北が多くかった日本勢は、一本が出易くなったとされる今回のルール変更を有利に活かしたい。特に3年後の東京五輪を前にし、ここまで様々な形での柔道の国際化が進むにつれ劣勢が続いている日本重量級がかつての隆盛を取り戻していけるかが注目される。

■重量級の復権を
 日本男子代表は昨年のリオデジャネイロオリンピックにおいて2階級(73㎏・90㎏)で金メダルを獲得、日本柔道の復活が叫ばれた。

 しかしながら、最も重い階級である100㎏超級で原沢久喜がフランスのリネールに敗れるなど、重量級では近年、外国勢の後塵を拝す形が続いている。世界選手権でも過去5大会では100㎏以上の階級を制したのは僅かに3人と日本重量級の復権が待たれる。

 原沢対リネールのリオ五輪決勝のように、国際舞台、特に重いクラスでは体格差で勝る外国選手に対し、守りに入られると攻め込むことが出来ず、日本人選手は技を仕掛けられずに敗れる内容が目立った。また、2008年の北京100㎏超級優勝の石井慧も決勝では終始、出方を窺い相手の技を出させずに逃げ切るといった、現代のスタイルになぞらえた戦い方ともいえた。今後、柔道の醍醐味を広める意味でも、五輪や世界選手権などの大舞台で、技により試合を決めに行く日本のスタイルでの試合が多くみられることがやはり望まれるのではないだろうか。
 
 今大会、100㎏超級ではリオ五輪で王者リネールと対戦経験のある原沢、全日本選手権連覇の王子谷剛志、100㎏級は世界選手権連覇を狙う羽賀龍之介、さらには東海大学4年のウルフアロンが出場、重量級制覇の期待がかかる。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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