カナミックN Research Memo(7):クラウドユーザーの拡大、広告拡大、ビッグデータ活用の相乗効果を狙う

2017年7月11日 09:10

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記事提供元:フィスコ


*09:10JST カナミックN Research Memo(7):クラウドユーザーの拡大、広告拡大、ビッグデータ活用の相乗効果を狙う
 

■中長期の成長戦略

1. 成長戦略
主力サービスであるカナミッククラウドサービスだけでも潜在市場は大きいが、カナミックネットワーク<3939>ではコンテンツ広告及びその他事業とも連携を図り、相乗効果を出しながら成長し、将来的にはコンテンツ広告やその他事業の売上構成比が上がるというイメージを描いている。カナミッククラウドサービスの導入自治体や導入介護事業者が増えれば、サービスを利用する医療・介護従事者が増え、広告媒体としての価値も上がるために広告収入も増える。また将来的には、ユーザーを増やすことでビッグデータの価値を上げ、それを活用することで関係者にとってのプラットフォームの価値を高め、さらにクラウドサービスを拡販する、という好循環を生み出したい考えだ。

2. 総務省「IoTサービス創出支援事業」の委託先候補に選定
同社は2017年2月に、総務省が実施する「IoTサービス創出支援事業」に係る委託先候補に選定された。総務省が選定したのは17の企業・団体で、介護分野では同社だけが選定された。目的は介護施設において多様な医療・介護センサデータを日々蓄積し、効果的に活用することで、利用者一人ひとりにとっての質の高い介護を提供し、介護スタッフの負担を軽減する業務モデルを実証することである。具体的には、IoT機器(オムツセンサー、ベッドセンサー、トイレセンサー、エアコンセンサーなど)からのセンサーデータなどを取得し、ビッグデータ化し、AIを活用して解析することによりサービスを個別化・高度化するという流れを構想している。

IoTサービス創出支援事業では、IoT・ビッグデータ時代におけるデータ利活用を促進するモデルを構築するとともに、必要なルールの明確化等を行うことを目的としており、ここでの成果が全国におけるスタンダードとなる可能性が高い。業績に与える影響は現時点では未定であり、業績の計上は2018年9月期となる。

3. Tポイントプログラム契約を締結
2016年11月に、同社と(株)Tポイント・ジャパンは、カナミックネットワークでのTポイントプログラム導入に関する契約を締結した。併せて、同社が提供する広告サービスにおけるTポイント活用についても基本合意した。Tポイントが利用できることで、ユーザーにとっては利用動機が増えることになりそうだ。現在、サービス内容の詰めが行われており、詳細は決まり次第発表される予定だ。

Tポイントは、日本人の半数に当たる 6,050 万人が利用し、全国 156 社 56 万店舗超に及ぶコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストア、飲食店、衣料品、家電量販店、携帯電話、ネットショッピング、電力など生活に密着したあらゆるライフシーンで利用できる日本最大の共通ポイントサービスである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)《TN》

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