NTTデータ、機械学習ツール「DataRobot」の提供開始 AIサービス拡充

2017年7月5日 06:59

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 NTTデータは米国のDataRobot社とエンタープライズ向け機械学習プラットフォームである「DataRobot」の販売代理店契約を締結し、サービスの提供を開始した。

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 「DataRobot」は世界有数のデータサイエンティストの知識や経験、ベストプラクティスを自動化することで、ユーザーがスピーディーかつ正確な機械学習モデルを構築することが可能なプラットフォーム。

 NTTデータは業務改革を支援するAIインテグレーションサービスを約300名の体制で展開、分析業務の自動化を実現するサービスの開発を進めていた。具体的には、生成したモデルが業務上求められる精度・品質を満たしているかの評価や、モデルの品質劣化モニタリングと自動更新、AIによる予測結果を保存する仕組みなどである。

 こうしたサービスの開発に注力するなかで同社は「DataRobot」に注目。AIビジネスの抱える課題の解決に最適なプロダクトとして、販売代理店契約を締結した。

 「DataRobot」の特徴としては、世界トップクラスのデータサイエンティストの分析ノウハウによる予測の自動化、1,000を超える「DataRobot」内の分析アルゴリズムによる最適なモデルの自動作成などが挙げられる。また金融、製造、通信、流通、インターネット等、多方面において「機械学習の民主化」を強く推進していることもAIの柔軟な未来を感じさせる。

 「DataRobot」を活用した具体的な業務変革を挙げると、製造分野においては生産プロセス改革による歩留まり改善・生産の最適化、工作機械の故障予測による予防メンテナンス、販売業務や商品設計においては、顧客の行動パターンや潜在的な需要を深く理解することによる売上拡大への貢献といったものである。

 今後NTTデータは、AIに関するサービスのさらなる拡充と価値創出を行い、2020年までにAI・アナリティクス領域において、売り上げを500億円規模に拡大を目指すとしている。

 現在、NTTデータのAI活用事例としては、ニュース原稿の自動生成が挙げられる。気象ニュース原稿は、すでに日本語が人が読んでも違和感のないレベルに到達。今後は企業の決算発表、スポーツ記事などの実証実験も進めていくようである。

 その他、重病患者の状態悪化を予兆検知、渋滞予測・信号制御シミュレーション、ロボットとセンサによる高齢者見守り支援などの実証実験も実現し、その用途は多分野に急拡大している。AIによる業務変革は今後どこまで進むのだろうか。人手不足などが叫ばれる分野でも大いに期待されている。

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