米PCEコアがどう出るか、6月30日のドル円為替

2017年6月30日 15:51

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 月末を迎え、ドル円為替相場の変動も大きくなってきている。6月29日22:30(すべて日本時間)には113円台に迫るかと思われたが、その後反落、112円を割り込む形になった。月末の調整フローも見据えながらになるが、注目は今晩発表される5月のPCEコアデフレーターの経済指標であろう。追加利上げにも密接にかかわってくるだけに固唾を飲んで見守ることになる。

 6月29日21:30に第1四半期のGDP確定値が発表された。こちらが改定値の+1.2%からさらに上乗せした+1.4%となった。同時刻に発表された前週分の新規失業保険申請件数は期待を裏切る24.4万件で、事前予想の24万件や前回の24.2万件よりも増加している。しかしGDPの結果が予想以上だったことから市場はリスクオンとなり、22:30には1ドル112円93銭の高値をつけた。

 ドルはその後、反発。ダウ平均が大幅な反落を見せ、市場はドルに嫌気し、日付の変わった30日2:30には1ドル111円81銭までドルが売られた。一時は112円台に戻すも11:00には1ドル111円73銭の下値をつけている。米株の反落と円高によって日本株価も2万円を割り込んだ。

 本日は6月最終日だ。21:30には5月個人所得、個人支出、PCEコアデフレーターの発表を控えている。特にインフレ率として注目されるPCEコアデフレーターについては、前月比+0.1%、前年比+1.4%という事前予想だ。はたして年内の追加利上げは実現するのか、こちらの指標が一つの鍵を握っているだろう。市場の予想では、PCEコアデフレーターが+1.7%以上になると追加利上げは正当化されるといわれている。2月は好調であり、経済指標的には厳しい3月4月を抜けてきただけに、この5月の数値は期待されているだろう。

 結果としてドル安円高傾向に振れたこの両日だったが、最終的にどう収まるのか、今晩の経済指標がどう出るのか楽しみである。仮にポジティブサプライズとなれば、追加利上げ観測は高まり、ドル高に転じることになりそうだ。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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