新日鉄住金、三菱UFJ、キヤノンなど/本日の注目個別銘柄

2017年6月28日 15:59

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記事提供元:フィスコ


<2397> DNA研 720 +100ストップ高比例配分。厚生労働省が、がんに関連した遺伝子の変異を一度に調べられる一括検査を保険診療で行えるようにする方針を固めたと伝わっている。2018年度中の実現を目指すようだ。現状では保険が利かず、費用は10-100万円程度と高額になっている。同社はDNAチップや次世代シークエンサーによる遺伝子受託解析を主力事業としており、保険適用に伴う需要拡大が思惑視されたもよう。

<2168> パソナ 1033 -63大幅反落。前日に発表した業績修正が嫌気されている。営業利益は43億円から45億円、前期比16.6%増に上方修正しているが、最終損益は従来予想の5億円の黒字から1.3億円の赤字に下方修正。固定資産の減損損失計上や一部子会社の赤字継続などが背景。人材サービス関連は全般的に業績好調で、本業ベースの上振れにはインパクト限定的。

<4202> ダイセル 1373 +26続伸。タカタ<7312>から事業を引き継ぐKSSでは、製品をKSSブランドに統一し、同社など他のエアバッグのインフレータメーカーとの協力を拡大する方針と伝わっている。タカタブランドは一部の分野を除いて使用しないもよう。代替需要拡大の方向性が確認できたことが買い材料視されている。また、タカタへの債権額が伝わっていることも、あく抜け感へとつながった。

<6844> 新電元 603 +34大幅高で年初来高値を更新。東海東京証券では業績予想を上方修正するとともに、目標株価を500円から600円に引き上げている。今期会社側の営業利益計画は32億円で前期比38.9%減益の予想だが、例年通り保守的なガイダンスであるとして、同4.5%減益の50億円と予想しているようだ。エアコン、自動車・産機向けデバイス事業の好調、円安を背景とする電装事業の堅調が見込まれるとの見方。

<7514> ヒマラヤ 899 +66急伸で一時上昇率トップ。前日に第3四半期の決算を発表している。営業利益は6.6億円で前年同期比81.7%増益、通期予想の5.8億円を超過する状況となっている。スキー・スノーボード用品やアウトドア用品の伸長、コスト抑制策の奏効などが大幅増益の背景に。第2四半期累計営業損益は前年同期比で赤字幅が拡大していたことから、3-5月期の収益急拡大にはポジティブなインパクトも。

<3655> ブレインパッド 1361 +38反発。独ボッシュ傘下企業と連携して、セキュリティカメラの画像を活用したCRM「おもてなしサポートシステム」を提供開始すると発表している。連携先企業のセキュリティカメラに搭載された来店者の顔画像切り出し機能と、マイクロソフト社のAIソリューションを活用。来店頻度や商品購入の有無など来店者の行動を把握し、小売・流通業における接客の高度化・業務改善を支援していく方針。

<5401> 新日鉄住金 2479 +60続伸。鉄鋼セクターは業種別上昇率の2位となっている。鋼材市況の底打ちや原料価格の下落でマージンは改善傾向にあり、今後の第1四半期決算や通期ガイダンスの公表を睨んで、増益シナリオの再確認が株価カタリストになっていくと期待されているもよう。また、足元では出遅れセクターに安心が向かい始めており、安値圏にある株価水準にも注目度が高まっているようだ。

<8306> 三菱UFJ 747.2 +18.9メガバンクは揃って強い動きが目立つ。欧米市場での長期金利上昇、金融株高の流れが波及する形になった。ドラギECB総裁や米フィラデルフィア連銀総裁のタカ派的な発言が背景とみられる。前日には欧州での金融支援策なども伝わっており、銀行株への物色意欲が全般的に増す形になっている。なお、前日には海外年金によるメガバンクへの資金流入も観測されていたようだ。

<3099> 三越伊勢丹 1094 -22大幅続落。ゴールドマン・サックス証券では投資判断を「中立」から「売り」に格下げ、目標株価は900円に引き下げている。足元でインバウンド消費は関西地区を中心に活況を見せているが、基幹店が東京に集中している同社の恩恵は限定的と指摘。主軸の婦人服売上が前年割れ継続でトップラインが物足りない中、サブセクター内での投資妙味は小さいと判断したようだ。

<7751> キヤノン 3811 -125大幅反落。6月末配当権利落ちで手仕舞い売りが優勢になった。前日にかけては権利取りとみられる動きから堅調な展開が目立っていた。上半期末配当金は75円を計画、年間での配当利回りは前日の終値段階で3.8%に達し、主力大型株の中では極めて高水準。昭和シェル<5002>、ウェルネット<2428>などの高利回り銘柄も売りが優勢に。《DM》

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