ユーロ週間見通し:もみあいか、ECBの金融緩和策解除への思惑残る

2017年6月17日 15:19

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記事提供元:フィスコ


*15:19JST ユーロ週間見通し:もみあいか、ECBの金融緩和策解除への思惑残る
■上げ渋り、米国とユーロ圏の金利差拡大の思惑残る

先週のユーロ・ドルは上げ渋り。米経済指標の悪化や原油安を意識してユーロ買いが強まる場面があったが、米利上げ継続への期待が再浮上し、ユーロ圏と米国の金利差拡大を見込んだユーロ売り・米ドル買いが活発となった。取引レンジ:1.1132ドル-1.1296ドル。

■もみあいか、欧米中銀の方針に不透明感

今週のユーロ・ドルはもみあいか。欧州中銀(ECB)はインフレ見通しを引き下げるなど
ハト派的なスタンスが目立ち、金融緩和への思惑後退でユーロは売られやすい見通し。一
方、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げに踏み切るものの、その後の引き締めに不透明感が広がった場合、ユーロ売り・米ドル買いは縮小し、ユーロは下げ渋る可能性は残されている。

予想レンジ:1.1100ドル−1.1300ドル

■やや強含み、日銀の金融緩和策継続で円売り

先週のユーロ・円はやや強含み。米国とユーロ圏の金利差拡大を想定したユーロ売りが強まり、対円レートは弱含みとなる場面があったが、日本銀行の金融緩和策は長期間維持されるとの見方が強まり、ユーロ買い・円売りの興味は低下しなかった。米ドル・円相場が週後半に円安方向に振れたことも影響したようだ。取引レンジ:122円40銭-124円46銭。

■もみあいか、ECBの金融緩和策解除への思惑残る

今週のユーロ・円はもみあいか。6月製造業PMIなどのユーロ圏の経済指標が改善した場合、欧州中銀(ECB)による緩和的な金融政策の早期解除への期待が再び高まりそうだ。
一方、日銀の異次元緩和策からの出口政策に対する市場の関心は次第に高まっており、緩和解除への思惑が広がれば円買いが強まりそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・20日:4月経常収支(3月:+448億ユーロ)
・23日:6月マークイット製造業PMI(予想:56.7、5月:57.0)
・23日:6月マークイットサービス業PMI(予想:56.2、5月:56.3)

予想レンジ:122円00銭-126円00銭《FA》

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