米国の「ダストボウル」対策は無意味だった?

2017年6月14日 11:44

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記事提供元:スラド

taraiok曰く、 米国で1930年代に発生した砂嵐ダストボウルは、草原地帯を農家が耕作して貧弱な土壌が露出された結果、発生したものだといわれている。このダストボウルによって耕作地の表土の大部分が失われる結果となったそうだ。また、近年も干ばつが主因とされる砂嵐が増えつつある。だが、この嵐も農家によって引き起こされているものだと指摘する人がいるそうだ(nprSlashdot)。

 ダストボウルの反省から米国政府は米国土壌保全計画(CRP)を実施した。これは政府が土地の所有農家から土地を借りて土壌を保護するというもの。最近では環境保護などの目的にも拡大利用されている。10年前、CRPの対象地域はニューヨーク州全体より広かった。ノースダコタ州では、CRPの対象地域は5,000平方マイルに及んだという。

 しかし成功した農家は、CRPの契約失効時に農地を再登録せず、トウモロコシや大豆などの作物栽培に転用した。CRPにより政府が土地を借りて環境改善に費やした資金は無駄になったということになる。環境保護法人Craig Coxは、農地を借りる形のCRPでは対策は不十分で、永久に保護するために土地を買い取るべきだと主張している。

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