セッションズ米司法長官の証言が大きな材料に、6月13日ドル円為替

2017年6月13日 16:53

印刷

 市場は材料に乏しく動くに動けない状態が続いている。6月13日(すべて日本時間)は、16:00直前で1ドル110円ちょうどといった感じだ。10:30には1ドル110円11銭の上値をつけ、1:30には1ドル109円63銭の下値をつけているものの、総じて小幅なレンジでの変動といえるだろう。16:00以降、欧州勢の参入で1ドル110円19銭まで伸ばしてはいるが、上値は限定的なようである。

 本日がFOMCの1日目だ。金融政策の発表まではまだ時間がある。発表後についても、追加利上げがすでに織り込み済みなだけに、バランスシートの年内縮小などどこまで触れられるか未知数であり、ドル買い、ドル売りのどちらに転ぶかわからない。現時点ではなかなか積極的には仕掛けられない状態だ。

 気になるのは、本日実施予定のセッションズ米司法長官の上院情報委員会での証言の内容である。トランプ大統領のロシアゲート疑惑の追及、コミー元FBI長官の解任についての真相などが語られるとの報道もあり、こちらがショッキングな内容だった場合はリスクオフの傾向は強まるだろう。トランプ大統領絡みの問題はなかなかポジティブに捉えにくく、市場はややナーバスだ。それが現時点でのリスク選好の動きを鈍らせている。

 FRBの追加利上げの決定後はドル安になる傾向はあるが、それ以前に、ヘルスケアに関する法案などがいつ議会で採決されるか未定であり、セッションズ米司法長官の証言の内容によってはドル買いの材料不足にすでに陥る可能性もある。今晩から明日にかけては警戒が必要だ。

 本日21:30にはPPI(生産物価指数)、並びに食品とエネルギーを除くコア指数の発表がある。インフレの動向確認には大切な指標となるだろう。ただしCPI(消費者物価指数)よりかは重要視されておらず、市場の反応は薄いかもしれない。

 果報は寝て待てという言葉もあるが、現在はまさにその状況だろうか。しかしいつ何時、どのようなニュースが飛び込んでくるかわからないこともあり、油断は禁物である。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事