日本の街づくり、APECのアワードで「金賞」の快挙

2017年6月11日 16:57

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記事提供元:エコノミックニュース

パナホーム株式会社は2017年4月24日、アジア太平洋地域の21の国と地域が参加する経済協力の枠組みであるAPEC(アジア太平洋経済協力)の第3回「ESCI(Energy Smart Community Initiative)ベスト・プラクティス・アワード」の「スマートビルディング」部門において、兵庫県芦屋市で開発中のスマートシティ潮芦屋「そらしま」で金賞を獲得し、話題をよんでいる。

 APECは、1980年代後半のアジア域内の経済成長と、欧州、北米における市場統合を背景に、環太平洋地域の連携・協力の必要性が高まったことを受けて、1989年に日本をはじめ、アメリカ、カナダ、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、そして当時の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟6か国の計12か国で発足した。台湾や香港などが参加しているため、非公式のフォーラムと位置付けられているが、ビジネス界との連携は強固で、市場の具体的なニーズを踏まえながら、目標に掲げる「自由で開かれた貿易・投資」の為の取組みを行っている。

 2015年には、横浜市がアズビル、大成建設、東京ガスなどをはじめとする、エネルギー関連事業者や電機メーカーなど34社と連携して取組んでいる「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」が日本の都市としては初めて、同アワードの「ローカーボンモデルタウン」部門で金賞を受賞しているが、今回のパナホームのスマートシティ潮芦屋「そらしま」も、「スマートビルディング」部門では日本初の受賞となる。

 「そらしま」は、兵庫県芦屋市の南にある「潮芦屋」地域につくられた西日本最大のスマートシティで、パナソニックグループの総合力と、住まいづくりのノウハウを結集して開発中の街だ。北は六甲山、南は瀬戸内海に囲まれた自然豊かな敷地に、パナソニック製「創蓄連携システム」(太陽電池+リチウムイオン蓄電池+パワーステーション)を採用し、ネットゼロエネルギーを可能にした最新のスマートハウスや完売済みのスマートマンション3棟(全83戸)が立ち並ぶ。すでに販売されている、第一街区「ゆうなぎのまち」(109区画)、第二街区「しおさいのまち」(94区画)の後、「はまかぜのまち」「あさなぎのまち」が戸建街区として予定されている、約500戸の巨大なニュータウンだ。

 しかし、この街づくりは最新設備による最先端のエネルギーだけがうりではなく、芦屋市の景観条例を遵守した自然溢れる街のデザインや、コミュニティセンター内共用施設で展開するコンシェルジュ・サービス、街路灯や防犯カメラはもちろん、各戸にホームセキュリティを完備するなど、犯罪に強い街づくりでも評価が高い。その点の総合的な魅力が、今回の受賞にも結び付いたのであろう。

 2020年の東京オリンピックも迫り、世界からの注目も集まってきている。2015年、そして今回の2017年と日本の街づくりが、世界経済に大きなつながりを持つAPECのアワードで最高評価を受けたことは、誇らしいことであると同時に、今後の日本経済にも大きな影響をもたらしてくれることに期待が高まる。(編集担当:藤原伊織)

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