巨人、球団史上初の12連敗を記録

2017年6月8日 08:26

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■12連敗を記録

 7日、プロ野球交流戦の巨人対西武2回戦がメットライフドームで行われ、巨人は0-3で敗れた。これで、球団史上初となる12連敗という不名誉な記録を達成してしまった。巨人と言えば「常勝軍団」や「優勝しなければいけないチーム」というイメージがついてくるが、どうしてこのようなことになってしまったのか。

 連敗が続くと行われるのが「戦犯探し」である。誰のせいで負けたのか、白黒はっきりつけないと気が済まない。他球団よりお金を使っている巨人に関しては、その戦犯探しの度合いが強いのではないか。そういった土壌こそが選手の硬さを生み、100%の力を発揮することができないという悪循環へとつながっていく。

■結果から見た考察

 これはあくまで結果から見た考察なので全てとは言えないが、今回巨人が12連敗を喫した背景として挙げられるのが、FA選手の不発ではないだろうか。多額の資金を使い獲得した選手が満足に活躍出来ていない。怪我で出遅れたり、本来の力が発揮できなかったりというのが現状だ。恐らくFAで選手を取得する際に「現状の成績を、最悪でもその8割の成績を残してくれたら」という想いで獲得しているかもしれないが、実際にはそこまでいかない。

 一つには、ピークを過ぎた選手を獲得することが多いからである。さらに、早く結果を出さなければいけない。そのため選手は無理をし、怪我をしたり、違和感を覚えたりしながら開幕戦を迎えることになる。「多額の金でとってるんだから活躍しなければどうなってるか分かってるんだろうな」、そういった銃口を突きつけられているようなものである。

 加えて、活躍した選手でさえ冷遇されるという状況もある。村田修一を見ればよく分かる。村田は2012年に横浜からFAで巨人に移籍したが、その後コンスタントに結果を残している。にもかかわらず減俸させられたり、控えに回されたりと、本人からすれば冷遇ともいえる状況がある。

 では「生え抜きはどうか」と言えば、ここでも光る選手は現れてこない。移籍組も生え抜き組もうまくいかない。これでは12連敗しても不思議ではない。

■球団が悪いのか選手が悪いのか

 今回の12連敗は確実に球団が招いた結果だろう。しかし高橋監督は球団が急に擁立したわけだから声を大にして批判することができない。ならば「選手が悪い」と名指しせざるを得ない。選手に多くの制約があったとしても、そういう状況にならざるを得ないのだ。

 しかし、巨人はこういうチームである。このやり方で勝つことが多いからきっとやり方は変えない。そして私はそういうチームがあった方が面白いのではないかと思う。

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