『リバース』出演の藤原竜也、『カイジ』『デスノート』とは違った魅力を発揮

2017年6月3日 21:41

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『リバース』に主人公の深瀬役として出演する藤原竜也。没個性になりそうな役どころだが、しっかりと主役として成立する演技を見せている。(c)TBS

『リバース』に主人公の深瀬役として出演する藤原竜也。没個性になりそうな役どころだが、しっかりと主役として成立する演技を見せている。(c)TBS[写真拡大]

■『リバース』で見せるサラリーマン役が話題の藤原竜也
 2017年4月からスタートしたドラマも最終回を迎えつつある。その中で視聴率こそ伸び悩むものの、満足度で見ると評判がいいのが『リバース』だ。湊かなえ原作のミステリー作品で、出演者もこだわり抜いたキャストで構成されている。中でも異彩を放っているのが、普通のサラリーマン役を務める藤原竜也だ。

【こちらも】湊かなえ原作『リバース』がTVドラマに、主演は藤原竜也と戸田恵梨香

■10年前の事件を振り返ることになる『リバース』
 藤原竜也は『リバース』において、平凡なサラリーマンである深瀬和久という役どころを担当している。彼は大学生時代に大事な友人である広沢由樹(小池徹平)を事故で失った。広沢の死には深瀬だけでなく同じゼミメンバーの村井隆明(三浦貴大)、浅見康介(玉森裕太)、谷原康生(市原隼人)も関与しており、ある秘密をずっと隠すことを誓っていたのだ。

 しかし、事件発生から10年後、深瀬の元に「深瀬和久は人殺しだ」とだけ書かれた手紙が届くようになる。その手紙を受け取った深瀬は、自分の彼女である越智美穂子(戸田恵梨香)に真実を打ち明けるところから物語が動いていく。

■過去作で見せたものとは違う演技で視聴者を釘つけ
 藤原竜也といえば『デスノート』での夜神月役や『カイジ』での伊藤開司役が印象に残っているだろう。基本的にはどの作品でも「切れ者」的な役どころが多く、どこか異常なものを持っている人間を演じているイメージがあると思う。

 しかし、『リバース』ではその真逆といったイメージの深瀬役を熱演している。基本的に深瀬は受け身の人間で、自分に自信がない人物だ。大学生時代の就活もうまく行かず、何とか就職することに成功するザ・現代の若者の縮図みたいな設定だ。一見すると「あるある」と共感を呼びやすい設定かもしれないが、実際には没個性となって主人公にはなりづらいキャラクターだろう。

 しかし、数々のドラマや映画に出演してきた藤原竜也が深瀬役を務めることで、きちんと物語を動かす主役となっているから驚きである。また、原作のイメージを崩すこともなく、10年前の事件を追いかけると共に人間的成長を垣間見せている。その変化がドラマを通してしっかりと伝わるようになっているのも本作の魅力だろう。

■物語はラストに向けて一気に加速
 『リバース』はすでに8話まで終了しており、最終回までカウントダウンをはじめる局面となっている。深瀬に手紙を送りつけた犯人が見え始めると同時に、広沢の死についても徐々に謎が判明し始めている。しかし、「イヤミスの女王」と言われる湊かなえの本が原作なだけに、ここからさらにどのようなどんでん返しがあるのか期待したいところだ。

 『リバース』は金曜10時からTBSにて放送中である。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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