大相撲5月場所、5日目に浅香山部屋力士が全員勝利

2017年5月20日 10:21

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■浅香山部屋全員勝利

 18日、大相撲5月場所5日目が行われ、浅香山部屋の力士全員が勝利した。勝利したのは魁盛王、魁禅、倉橋、魁新丸、魁清城、菅野の6力士。6力士全員が勝つことは少なからずあることだが、みんな1勝2敗、もしくは2勝1敗と言ってみれば勝率が5分に近い中での勝利だった。

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 勝つか負けるかは2分の1の状態のため、6人全員が勝つ確率は64分の1。確率的には4場所に1回見られるか見られないかと言った快挙である。浅香山親方(元大関魁皇)もさぞ心の底で喜んでいることだろう。全員が幕下以下の力士であることと、人数がそこまで多くないことからフォーカスはされないが、凄いことである。

■兄弟弟子の関係は面白い

 兄弟弟子の関係は相撲をやっていない者には分からないかもしれない。兄弟弟子と言ったら会社で言えば上司と部下、先輩と後輩という関係性だろう。会社の場合だと後輩は先輩から仕事を教えてもらい、成長し、成果を上げていくという感じではないだろうか。

 しかし相撲はもうちょっと関係性が深い気がする。会社同様弟弟子は兄弟子から厳しい稽古をつけてもらい成長していく。だが相撲はさらに先のストーリーがあり、弟弟子が先に取り組みを行いその結果が兄弟子の刺激となるのかもしれない。つまり場所中、弟弟子が兄弟子に与えるものはもしかしたらとてつもなく大きい物ではないか。

 弟弟子が先に土俵に上がり、勝ったら「俺も続こう!」と思うし、負けたら「後は俺に任せろ!」と思うのかもしれない。そういったことが力になることは大いに考えられる。考えすぎかもしれないが兄弟弟子は寝食、さらに稽古も共にする仲なので、少なからずそうした思いはあるのかもしれない。

■相撲の楽しみ方

 3月場所の横綱・稀勢の里の優勝により新たに相撲が好きになったという人は多いかもしれない。そういった人は稀勢の里に限らず違う力士のファンになっていることだろう。もちろん一力士のファンになっても面白い。実際私も最初はそうだった。

 しかし少し視野を広げ、特定の力士だけでなく、その部屋のファンになったら相撲の見方が大きく変わる。6日目の取り組みで高安が初黒星を喫してしまったが、稀勢の里がお返しとばかりに吹っ切れた相撲内容で勝利した。そこに相関性はないのかもしれないがそういう目で見たら一層面白くなる。

 今回の浅香山部屋の快挙ではないが、兄弟弟子の勝利が伝染する可能性はありうる。野球の「先発全員安打」というのもこういった類のもので、見ている方も気持ちのいいものだ。より多くの相撲の楽しみ方を学び、相撲にはまるファンが増えることを願う。

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