ホモ・ナレディ、23万年前に生息と推定 人の先祖と近い時代に存在か

2017年5月14日 08:36

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復元されたホモ・ナレディの頭骨。(Photo:GovernmentZA/flickr)

復元されたホモ・ナレディの頭骨。(Photo:GovernmentZA/flickr)[写真拡大]

 2013年に南アフリカ共和国で2人の洞窟探検家の手によって発見された化石人類、いわゆる「ホモ・ナレディ」について、南アフリカ・ウィットウォーターズランド大学の古人類学者リー・バーガー教授らの研究グループが、「33万5,000年から23万6,000年前のもの」と特定された、との論文を発表した。この数字は、ナレディの身体的特徴、主には脳の容積であるが、そこから推測された生息年代よりもかなり新しい時代になる。

【発見は】アフリカで新種のヒト科動物の化石が発見、「ホモ・ナレディ」と命名

 われわれヒト、すなわち現生人類が出現したのはだいたい20万年前くらいである、というのが現在の定説である。簡単に説明するが、現生人類へと伝わる人類の進化の歴史においては、脳の容積が徐々に大きくなっていく傾向があった、と考えられている。いっぽう、ナレディの脳は、同時代に存在していたはずの現生人類の直系の祖先と比べれば、かなり小さかったということになる。

 ナレディが人類の系譜の中でどういう位置付けにある存在なのか、まだ分からないことの方が遥かに多いというのが現状ではあるが、少なくとも、彼らが確かに30万年前にアフリカに存在していたのなら、現生人類に至る進化グループとは別に、脳が小さい人類が存在する余地も地上に存在していたことになり、もしかしたら人類の進化の歴史について、今後大きな仮説の修正が加えられることになるのかもしれない。

 ナレディについては、発見から発表までがあまりに拙速すぎ、研究者が功を焦りすぎたのではないかなどと指摘されるなど、問題もいろいろあるのだが、貴重な研究資料であることに変わりはなく、今後の研究進展が待たれるところである。

 なお、ナレディが発見されたライジングスター洞窟において未知の領域が探索され、新たなナレディの年代不明の骨のサンプルが見つかった、との報告も同時になされている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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