J2徳島の馬渡とサポーター、ボールボーイへの行為で処分へ

2017年5月1日 07:15

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■ボールボーイへの対応

 29日に行われたサッカーJ2のジェフ・ユナイテッド千葉対徳島ヴォルティスの試合で、徳島のDF馬渡和彰が退場となった。問題のシーンはスローインの場面で、馬渡がボールボーイに対し速くボールを渡すよう要求したがすぐに渡されなかったことから、頭に血がのぼり、ボールボーイからトスされたボールをそのまま軽く投げ返し、胸を押したというものだ。

 馬渡は、スポーツマンにあるまじき行為としてレフェリーからレッドカードを受けた。納得のいかない徳島の選手はレフェリーに詰め寄るも判定は覆らなかった。しかも選手のみではなく徳島サポーターもボールボーイに対し腹を立てていた。試合後に徳島サポーターの目前から引き上げるボールボーイに対し、ペットボトルから液体(当初水と思われる発表されていたが、後にアルコールと思われるに訂正)をかけてしまった。

 さらに敗戦理由をボールボーイのせいだとし、サポーターは罵声を浴びせ続けた。徳島の岸田社長は馬渡と液体をかけたサポーターについて処分を検討するとしている。

■処分について

 馬渡や徳島サポーターへの処分についてはまだ決まっていないが、それ相応のペナルティーが必要だろう。馬渡だけでなくサポーターの行為も重く、実際に液体をかけて罵声を浴びせた上、該当するボールボーイ以外にも罵声を浴びせていた。

 徳島サポーターの行為は極めて悪質と言えるだろう。球団社長は液体をかけた特定のサポーターへの処分を考えているが、罵声の方も問題で、不特定多数が該当サポーターとなりうる。

 こういった際、海外のサポーターを引き合いに出す評論家はいるが、何も過激さを真似する必要性はない。日本と海外では歴史も違うし、観戦の仕方も違う。「海外のファンはもっと過激だし見習った方がいい」というのは浅はかな考え方だろう。今後このようなことが無いよう重い処分を下すべきだ。

■ボールボーイの対応は

 一方、ボールボーイの仕事は速やかに試合を行うことができるようスムーズな球出しが要求される。そこに「ホームチームが勝ちやすくなるよう試合をコントロールする」という考えがあってはいけない。もし、試合でのゲーム進行の妨げられていれば、ホームで主催している千葉の責任も否定できないことになる。

 今回は、該当のボールボーイが中学生で、どちらのボールで再開されるのかが分からずに迷ったというコメントも一部で報道されおり、また、試合開始からまだ14分、得点も0対0ということから遅延行為なども考えずづらく、一瞬の判断を迷ったと考えるのが妥当ではないだろうか。理由は何であれ、暴力行為やサポーターの行為が許されるわけはなく、今後は厳正な処分が行われることとなる。

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