日本の4番・筒香嘉智 そのスイングに期待を込めて

2017年4月30日 07:39

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 29日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNAベイスターズ対広島カープ6回戦、ベイスターズは1対6で敗れた。先日にはようやく今季1本目のホームランを記録した DeNAの筒香嘉智はこの日、3打数ノーヒットに終わった。「日本の主砲」の不振が続く。

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■横浜の、そしてJAPANの四番・筒香

 この日、試合の行われた横浜スタジアムの風は右中間へ向かって、左バッターにとっては引っぱるボールの伸びが期待できる強風が吹き続いていた。だが1打席目四球の後、2・3打席目は広島先発岡田の速球を外野まではじき返すもフェンス前で失速、最終打席もライトフライに終わり、風を活かし切ることなく終わった。

 前日の同カードでは2安打2打点で勝利に貢献、27日の阪神タイガース戦では今シーズン第1号となるホームランを放つ。開幕後、囁かれ続けた「WBCメンバーの不調」の代表格の座から逃れたかに見え、いよいよ調子を上げてきたと思われたが、国民の祝日に行われたデーゲームでは快音を聞くことは出来なかった。

 「フェンス手前の失速」というと、先月の22日、アメリカロサンゼルス雨のドジャースタジアムでのWBC準決勝アメリカ戦の8回裏、日本のプロ野球ファンの期待を受け、侍ジャパンの4番・筒香が振りぬいた打球があと一歩、スタンドに届かなかったあの場面が蘇る。あの時から何か重いものを引きずっているかのようにも感じてしまう。

■夏に向け調子を上げていけるか

 それでも、二冠王(44本塁打、110打点)に輝いた昨年、5・6月に月間打率3割を越え、7月には16本塁打を放つなど、シーズンが進むにつれ持ち前の打棒が発揮されていくことは数字に表れている。

 大型連休を迎え、嫌でも注目が注がれるこの時期、果たしてここから背番号25は満員のファンの前で快音を響かせていくことが出来るか。チームとして初の領域となった昨シーズンのクライマックスシリーズの舞台を再び目指すために、そして近い将来、もう一度来るであろう日の丸を背負う時、そのスケールの大きいスイングで今度こそ鮮やかな放物線を描くために。

 4番・筒香の挑戦は続く。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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