一歩足りなかった侍ジャパン、WBC準決勝敗退

2017年3月23日 08:52

印刷

■侍ジャパン準決勝敗退

 22日、野球のWBC準決勝で侍ジャパンはアメリカと対戦した。完全なアウェーだったが日本への声援も多く、選手達もプレーしやすかったのではないかという印象を受けた。侍ジャパンは1‐2と、あと一歩と言う差で負けた。まさに惜敗したという言葉がふさわしいだろう。

 結果から見れば準決勝敗退という残念な結果に終わってしまい、王座奪還することは叶わなかった。とはいえ過去に優勝したチームと比べ遜色ないパフォーマンスを見せてくれたと言えるのではないか。その一つに勝率が挙げられる。

 今回のWBCで侍ジャパンは1次リーグ、2次リーグとも全勝で終えた。打線が爆発し見るものを魅了することもできた。きっと野球少年は「こんな選手達みたいになりたい」と思ったことだろう。筒香嘉智のホームランや菊池涼介の華麗な守備、千賀滉大の芸術的なフォークボールはまさにヒーローと呼ぶに値するものだった。

■アメリカ戦は今までとは違った展開

 準決勝までは打線が投手を助けるという展開が続いた。点が欲しいところで主砲がうち、追加点、ダメ押し点を出す野球が印象的だった。逆に投手陣は不安を抱えテンポ良い投球が出来たとは言えなかった。菊池をはじめとして野手のファインプレーに助けられた投手陣は過去と比較したらいいとは言えない内容だ。

 それに加えアメリカの慣れないマウンドに対する不安視もあった。打線がいくらとっても投手陣が崩壊し大量失点を喫してしまうという予感すら感じさせた。ところがいざアメリカ戦が始まるとそれまでの内容とはガラッと変わり菅野智之、千賀を中心とする投手陣は冴えていた。強力アメリカ打線を巧みな投球術でねじ伏せまさに「きりきり舞いにさせた」という表現が適切だった。

 その一方で打線は機能しなかった。単打は出るものの、アメリカ投手陣を打ち崩すことはできず菊池のソロホームランの1点に終わった。頼みの筒香、中田翔の快音も聞くことはできなかった。

■総括するといいチームに仕上がった

 今回のWBCで小久保監督の采配に苦言を呈す野球ファンは少なくないと思う。実際6勝1敗という好成績の裏で綱渡り状態だった試合は少なくない。壮行試合でも負けが多く不安視から「侍ジャパン大丈夫か?」という見方も多かった。

 しかし、選手たちは一戦一戦成長し、いいチームにまとまっていった様子は手に取るように分かった。投手がピリッとしなければ打線が補い、打線が湿っていれば投手が踏ん張る。そういった「助け合い」がきっちりできていた。まさに日本を象徴するようなチームだったのではないかと思うと彼らに拍手を送らずにはいられない大会だったと言える。

関連キーワード

関連記事