3月8日は「みつばちの日」、はちみつ市場の活況続く

2017年3月8日 13:19

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記事提供元:エコノミックニュース

富士経済の調べによると、はちみつ市場の2015年度の売上げ見込は213億円、前年比123.1%と、はちみつ業界は稀にみる活況を呈しているのだ

富士経済の調べによると、はちみつ市場の2015年度の売上げ見込は213億円、前年比123.1%と、はちみつ業界は稀にみる活況を呈しているのだ[写真拡大]

3月8日の「みつばちの日」。実は最近、若い世代の間で静かな「はちみつブーム」が到来しているという。富士経済の調べによると、はちみつ市場の2015年度の売上げ見込は213億円、前年比123.1%と、はちみつ業界は稀にみる活況を呈しているのだ。

 はちみつの栄養価については古くから知られており、1953年に人類初のエベレスト登頂を果たしたエドモンド・ヒラリーも、登頂時には栄養補給にハチミツを摂っていたという逸話が残っているほどだ。

 また、古くは世界三大美女の一人に挙げられる古代エジプトのクレオパトラも、はちみつの愛好家だったそうで、肌や髪、爪などにつけていたといわれている。蜂蜜に高い保湿力があることや、ビタミンB2、ビタミンC、酵素やアミノ酸、ポリフェノールなど、エネルギー代謝を良くしたり肌荒れを整えてくれる、美肌作りには欠かせない栄養素が多く含まれていることは、現代では広く認知されている。しかし、医学や栄養学が発達していない古代の人々の間でも、それが知られていたことは驚きだ。

 はちみつといえば、一般的には天然の甘味料として利用されるだけでなく、近年では健康ブームの影響もあってメディアでは様々とりあげられ方をしている。なかでも、健康志向の高い人たちの間では、砂糖よりカロリーが低く甘さも砂糖より強いはちみつをダイエットに利用する人も増えているという。同じ100gで比較した場合、砂糖が384カロリーであるのに対し、はちみつは294カロリーしかない。また、就寝1時間前にはちみつを飲用することにより、睡眠の質が高まり、成長ホルモンの分泌が活性化されるので、脂肪燃焼が促されるという。

 また、カロリーが少ないのに甘みは砂糖の約2倍もあるため、甘党の強い味方になっているようだ。これに関しては株式会社山田養蜂場が3月8日の「みつばちの日」にちなんで、1000人の女性を対象に実施した「はちみつの使用実態」調査の結果にも表れている。

 同社のアンケートでは、全回答者のおよそ8割が「はちみつが好き」と回答しており、とくに20~30代で人気が高かったという。この背景には2015年度あたりからテレビ番組などでヨーグルトやスムージー、シリアル、グラノーラなどと合わせて食べることにより美肌やダイエット効果があると紹介されたことなどが大きいだろう。また、そんなブームも相まってか、はちみつを月に1回以上使用している人が約7割で、週に1回以上使用する人が4割強もあることも、同調査で報告されている。このことから、はちみつは決して特別な食材ではなく、日常的に家庭で用いられる食材として定着しつつあると、山田養蜂場では分析している。

 ところが、興味深いのは、それだけ日常に浸透しているのにも関わらず、普段使用しているはちみつの種類が「わからない」と答えた人が3割以上にのぼるという。

 種類を把握している人の中で最も人気だったのが「れんげ蜂蜜」で45.8%。2位の「あかしあ蜂蜜」の28.6%に20%近くの差をつけている。ピロリ菌などの胃腸疾患の改善、風邪の予防や虫歯の防止、アトピーやガン予防などに関心のある人たちの間で話題になっている「マヌカ蜂蜜」は9.4%となっており、本格的なブームはこれから訪れるのかもしれない。

 はちみつは砂糖などの他の甘味料とは異なり、種類により味のバリエーションが豊富なことも特徴だ。季節や蜜源となる花の種類によって、色や香り、成分なども大きく変わってくる。たとえば、「れんげ蜂蜜」はふっくらとした口あたりとやさしく上品な香りと甘みが特長だが、「ひまわり蜂蜜」は酸味と甘味の絶妙な味わいが印象的だ。また、「ローズマリー蜂蜜」はドレッシングにしてもいいし、「クローバー蜂蜜」は紅茶やハーブティーに入れたり、果実酒用として親しまれている。

 大雑把に「はちみつ」と認識して利用するのではなく、お気に入りの蜜源由来のはちみつを探してみるのも面白いかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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