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海外生産拠点を有する日系食品メーカー、拠点は中国とタイに集約
矢野経済研究所では、中国およびASEAN 地域を中心とする海外生産拠点(委託生産を含む)を有する日系食品メーカーに対し、海外生産拠点における原材料・素材仕入や生産、仕向け先などについて、法人アンケート調査を実施した。
アンケート調査では回答を得た61社に対し、海外生産拠点ごとの生産体制を聞いた。全体では当該国の自社工場(関連子会社含む)が最も多い 61.8%(76 拠点中47拠点)であった。一方で、当該国の地場受託工場での生産は全体で 32.9%(76拠点中25拠点)であった。
調査結果を国・地域別でみると、海外生産拠点は中国とタイに集約される様子が窺える。中国では自社工場(関連子会社含む)の比率が62.9%(35拠点中22 拠点)と高いが、タイでは自社工場(関連子会社含む)の比率40.0%(15拠点中6拠点)よりも、当該国の地場受託工場(7拠点)と当該国の日系受託工場(1拠点)を合わせた比率 53.3%(15 拠点中8拠点)が上回る結果となり、タイでは委託生産による進出ケースも多いことが示唆される結果となった。
また、アンケート調査において、現在生産拠点(委託生産を含む)の有無に関わらず、中国およびASEAN 地域における原材料・素材サプライヤーに関する品質評価について聞いた。ここでは生産拠点の多い中国、およびタイについて取り上げる。中国における現地の原材料・素材サプライヤーに対する品質評価は、「満足できるサプライヤーは多い」の35.1%に対し、「満足できるサプライヤーは少ない」の43.2%となり、現地サプライヤーの品質に対して満足できていないとする回答が上回る結果となった。
一方、タイにおける現地の原材料・素材サプライヤーに対する品質評価は、「満足できるサプライヤーは多い」の50.0%に対し、「満足できるサプライヤーは少ない」の33.3%となり、現地サプライヤーの品質に対して満足できているとする回答が上回る結果となった。アンケート調査結果からは日系食品メーカーにおける中国とタイの現地の原材料・素材サプライヤーの品質評価についてはタイの方が高い結果となった。
日系食品メーカーの海外生産拠点数(委託生産を含む)が最も多い中国と2番目に多いタイで比較すると、中国に生産拠点を有する日系食品メーカーは自社工場(関連子会社を含む)で進出するケースが多く、また満足できる現地の原材料・素材サプライヤーは少ないと回答する企業が4割強を占めた。一方、タイは委託生産で進出する企業が5割強を占め、現地の原材料・素材サプライヤーに対する評価も5割と高い結果となった。
アンケート調査結果からは、現地における生産品目の違いもあるものと推察するが、中国に対してタイでは委託生産による進出率が高く、また現地の原材料・素材サプライヤーに対する評価も高い。日系食品メーカーにおいて現地の原材料・素材サプライヤーに対する評価は、海外拠点の生産体制を構築する上で必要要件の一つになるものと考察するとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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