新興市場見通し:マザーズ指数は堅調推移、好決算など手掛かりに循環物色の流れ

2017年2月11日 15:17

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記事提供元:フィスコ


*15:17JST 新興市場見通し:マザーズ指数は堅調推移、好決算など手掛かりに循環物色の流れ
先週の新興市場は、週末の日米首脳会談に対する警戒感から主力大型株で手控えムードとなるなか、中小型株の循環物色の流れが続き堅調に推移した。新興市場でも決算発表が本格化し、好業績株やその他の材料株に物色が向かった。ただ、週末にかけて米トランプ政権の政策に対する期待再燃で日経平均は大幅高となったものの、マザーズ市場では利益確定売りが優勢だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.4%であったのに対して、マザーズ指数は+1.3%、日経ジャスダック平均は+1.0%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のサイバーダイン<7779>が週間で1.4%高となったが、ミクシィ<2121>が同0.3%安、そーせいグループ<4565>が同2.2%安と軟調だった。ミクシィは通期利益予想の上方修正と増配を発表したが、利益確定売りに押された。売買代金上位では、マイネット<3928>やイグニス<3689>などが上昇し、アクセルマーク<3624>、エボラブルアジア<6191>、アスカネット<2438>の上昇率は2ケタに上った。また、業績・財務の改善が好感されたディー・ディー・エス<3782>や新作ゲームへの期待が高まったモブキャスト<3664>がマザーズ上昇率上位となった。ジャスダック主力では、通期決算発表で業績改善が好感された日本マクドナルドHD<2702>が同2.7%高、またセリア<2782>が同2.1%と堅調だったが、第1四半期決算がネガティブ視されたセプテーニ・HD<4293>が同13.9%安と急落したほか、エン・ジャパン<4849>は好決算ながら材料出尽くし感から同3.0%安となった。売買代金上位では、新作ゲームが期待材料のアエリア<3758>が連日の大幅高となり、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>、メガネスーパー<3318>、プロルート丸光<8256>も大きく買われた。IPOでは、2月10日に安江工務店<1439>が新規上場した。公開価格をやや上回る初値形成だったが、その後ストップ高水準まで買われる場面があった。

今週の新興市場では、マザーズ指数や日経ジャスダック平均は好需給を背景に緩やかな上昇基調が続きそうだ。個人投資家は資金回転が利いており、中小型株への物色意欲も依然強い。好決算や新たな期待材料を手掛かりに循環物色の流れが継続するだろう。

今週は2月13日にイグニス、マイネット、アカツキ<3932>、キャリア<6198>、タツモ<6266>、14日にアドベンチャー<6030>、アライドアーキテクツ<6081>、エボラブルアジア、フェローテック<6890>、サイバーダイン、15日にジーエヌアイグループ<2160>、アエリア、シノケングループ<8909>などが決算発表を予定している。なお、そーせいグループは10日に通期営業利益見通しの下方修正を発表している。期初計画を下回るとの見方はあったものの、修正後計画は市場コンセンサスを下回る水準となっている。

IPO関連では、2月16日に日宣<6543>がジャスダックへ新規上場する。好需給やバリュエーション面での割安感から堅調な初値形成になるとみられている。なお、先週はファイズ<9325>(3月15日、マザーズ)、マクロミル<3978>(3月22日、東証1部または2部)の新規上場が発表されている。また、コピーライターの糸井重里氏が代表取締役を務め、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営するほぼ日が上場申請したと報じられている。《FA》

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