エムアップ、ワコム、荏原製など/本日の注目個別銘柄

2017年2月9日 16:19

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記事提供元:フィスコ


<9984> ソフトバンクG 8734 +50引けにかけて上げ幅縮める。17年3月期第3四半期決算を発表。10-12月期の営業利益は2957億円で着地し、コンセンサス(2600億円程度)を上振れたことが好感されている。国内通信事業が好調だった他、スプリント事業の改善や新設のアーム事業の寄与、ヤフーの想定以上の改善などが加わった。また、サウジアラビアと計画している10兆円規模の投資ファンドが近く発足する見通しとなったことも支援材料に。

<6501> 日立 622.3 -54.4急落。南ア火力発電所の建設に関連した損失負担を巡り、三菱重工<7011>から約7634億円の請求を受けたと発表。日立の受注案件を、火力発電事業を統合した三菱日立パワーシステムズが承継したが、労使紛争などで完成が遅延し、関連費用が想定を大幅に上回った。三菱重工は受注条件に問題があったとして、全額負担を主張しているもよう。同社は協議を継続する方針だが、先行きの不透明感から売りが広がった。

<3436> SUMCO 1868 +109急伸。16年12月期の決算を発表。営業利益は前期比52.3%減の140.46億円で、会社計画の125億円を上ブレたことが好感されている。SMBC日興証券は、「タイトな需給を裏付けに、メーカーが顧客から価格交渉の主導権を奪い返した点」をポジティブとみているようだ。また、17年12月期第1四半期の営業利益計画は前年同期比94%増の70億円とし、コンセンサス(46億円)を上回ったことも材料に。

<2432> ディーエヌエー 2554 +49続伸。17年3月期第3四半期決算と通期計画の上方修正を発表。10-12月期の営業利益は34.44億円、通期営業利益は198.16億円から209億円に引き上げた。どちらもコンセンサス以下だが、キュレーションプラットフォーム事業関連の減損損失処理などが主な要因であるため特に悪材料視はされず、アク抜け感が先行した。期末配当予想を30円(前期20円)としたことも安心感に。

<3661> エムアップ 954 +150ストップ高。2月1日に資本業務提携を発表したEMTGが、AKB48グループや乃木坂46などのプロデューサーで、番組企画構成やドラマの脚本なども手掛ける秋元康氏を特別顧問として迎えたことを発表。EMTGは電子チケット、チケット転売対策を手がけ、同社電子チケットは約40アーティストの全国ツアーやプロ野球球団、遊園地などで導入されている。秋元氏の就任により、同社にも思惑買いが向かったようだ。

<6727> ワコム 384 +34大幅に3日続伸。17年3月期第3四半期決算を発表。10−12月期の営業利益は15.23億円で着地し、累計で黒字転換したことが好感されている。円高影響でブランド製品事業が苦戦した影響で第2四半期まで営業赤字となっていた。会社計画では通期で5億円の営業赤字を見込んでいるが、第3四半期決算をうけて赤字回避への期待感が広がったもよう。

<9633> テアトル 151 -15急落。17年3月期第3四半期決算を発表。営業利益(累計)は前年同期比49%減の1.98億円で着地した。創立70周年記念作品『この世界の片隅に』の大ヒットを受けた収益期待を背景に株価が押し上げられていただけに、大幅減益が嫌気されているようだ。飲食事業における待遇改善や来年度に予定していた店舗改装の前倒し実施、保有不動産の修繕投資などが利益の押し下げ要因に。

<6361> 荏原製 3195 -260大幅続落。17年3月期第3四半期決算と通期計画の下方修正を発表。10-12月期の営業利益は前年同期比45.4%減の59.53億円で、通期計画の営業利益を370億円から330億円に引き下げた。営業利益のコンセンサスは10-12月期で110億円程度、通期で380億円程度であり、どちらも大幅に下回ったことが嫌気されている。風水力事業の苦戦が重しとなっているようだ。

<6502> 東芝 225.5 -16.3後場に急落。みずほ証券は8日付リポートで、上場廃止または東証2部降格のリスクが高まっていることから、その場合の指数インパクトをまとめた。上場廃止で1545億円、2部降格で923億円の売り需要が発生する見込み。また、日経平均採用銘柄の最有力候補はセイコーエプソン<6724>と見ているようだ。一部メディアが、16年12月末時点で同社が債務超過に陥る見通しと改めて報じたことも売りを誘った。《XH》

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