価値開発 Research Memo(1):世界ブランド「ベストウェスタン」の展開を中核にホテルマネジメント事業が堅調

2017年2月9日 16:03

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記事提供元:フィスコ


*16:03JST 価値開発 Research Memo(1):世界ブランド「ベストウェスタン」の展開を中核にホテルマネジメント事業が堅調
価値開発<3010>は、1912年(大正元年)に創業され100年以上の歴史を持つ。製糸業で業界大手の一角を占めていたが、繊維不況を契機に不動産業に参入。不動産業がメインとなっていた2008年に価値開発株式会社に社名を変更した。同年、(株)フィーノホテルズを子会社化し、ベストウェスタンホテルのエリア開発会社となり、ホテル運営事業の足掛かりを築いた。リーマンショックで不動産市況が悪化してからは、事業主体をホテル運営事業にシフト。2011年3月期にはホテル事業が不動産事業の売上げを逆転、2017年3月期第2四半期のホテル運営事業の構成比は93%に達する。2015年には東京証券取引所の所属業種が「不動産業」から「サービス業」に変更した。

ベストウェスタンホテルは、世界最大級のワールドホテルチェーンであり、全世界の110を超える国と地域に4,100以上のホテルを展開しており、安心安全なハイパフォーマンスホテルとしてその名を知られている。同社は、2008年に日本国内における唯一のエリア開発会社(ADO:Area Development Organization)となり、ベストウェスタンの国内展開を行う。現在同社が運営に関わるベストウェスタンホテルは合計11棟、うち6棟はFCが運営する。主体はビジネスホテルだが、沖縄で2棟のリゾートホテルを始めた。訪日外国人旅行者(インバウンド)の比率は高く、多いホテルでは約8割、少ないホテルでも約3割が外国人である。特に東京を始め名古屋、京都、大阪、広島、福岡、札幌などの大都市圏を優先的に進出を検討する。

足元の業績はホテルの堅調を背景に増収増益を確保した。2017 年3月期第2四半期の売上高は3,109百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益241百万円(同110.9%増)、経常利益392百万円(同61.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益283百万円(同29.8%減)となった。増収に関しては、訪日外国人旅行者が増加するなか、同社運営のホテルにおいても高稼働率・高客室単価を維持したことと東北中長期型ホテル「バリュー・ザ・ホテル」の復調が主要因である。営業増益に関しては、ベストウェスタンホテル開業に伴う収益を計上したことが主要因である。なお、四半期純利益の減益は、前年度において沖縄の所有ホテルの売却益を特別利益に計上したという特殊要因があったためである。財務状況は健全さを取り戻している。固定資産の売却による減少(1,361百万円減)により債務を縮小し、自己資本比率は35.0%に上昇した。

2017 年3月期通期はホテル2軒の契約解除があり減収の見込みである。売上高5,320百万円(前期比7.5%減)、営業利益168百万円(同7.3%減)、経常利益460百万円(同3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益336百万円(同19.6%減)と予想する。

2016年に導入された株主優待制度は人気が高い。2016年度株主優待制度の内容は、3月末の株主全員に対して、同社グループ運営ホテル及びフランチャイズの一部のホテルを優待価格で宿泊できる券が2枚贈呈される。正規料金で14,000円のスタンダードシングルが4,000円で利用できるなど、割引率が大きい(約6割引)。

■Check Point
・世界ブランド「ベストウェスタン」の国内展開権利を持つ
・17/3期2Qはホテル事業の堅調を背景に増収増益
・債務縮小し自己資本比率は35.0%に上昇
・株主優待制度が人気

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)《TN》

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