新興市場見通し:相場の先高感から中小型株物色は活発、決算先取りの動きも

2017年1月28日 14:49

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記事提供元:フィスコ


*14:49JST 新興市場見通し:相場の先高感から中小型株物色は活発、決算先取りの動きも
先週の新興市場では、週初から主力企業の決算発表が本格化するのを前に幕間つなぎ的な物色が向かった。さらに、1月25日の米国市場でNYダウが史上初めて2万ドルを突破し、投資家のリスク選好姿勢が強まると、日経平均の上昇とともに中小型株への買いも継続した。マザーズ指数は26日、約半年ぶりに節目の1000ptを回復する場面があったものの、週末にかけて利益確定売りに押された。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.7%であったのに対して、マザーズ指数は+2.2%、日経ジャスダック平均は+2.4%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.1%高、サイバーダイン<7779>が同1.2%高と堅調だったが、そーせいグループ<4565>は同0.1%高と上値の重い展開が続いた。売買代金上位では、業績期待の高いマイネット<3928>やリサイクル関連のリネットジャパングループ<3556>が同2割超の上昇となった。また、フィンテック関連事業で複数のリリースが観測されたリミックスポイント<3825>、カジノ関連として関心が高まったイントランス<3237>などが大きく買われた。一方、UMNファーマ<4585>やメタップス<6172>が週間のマザーズ下落率上位だった。メタップスは一部証券会社の目標株価引き下げが観測された。ジャスダック主力では、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.8%高と引き続き堅調で、平田機工<6258>は同14.6%高となった。売買代金上位でも、投資先に関する報道が材料視されたサン電子<6736>や業績予想を上方修正したユニバーサルエンターテインメント<6425>など週間で2ケタの上昇となる銘柄が目立った。また、第一化成<4235>やアンドール<4640>が週間のジャスダック上昇率上位となった。反面、監理銘柄(確認中)に指定されたT&Cメディカルサイエンス<3832>が下落率トップとなり、信用規制が実施された山王<3441>も売られた。IPOでは、1月27日にシャノン<3976>がマザーズへ新規上場したが、買い気配のまま初値が付かなかった。

今週の新興市場は、相場全体の先高期待が再び高まっていることを追い風に、引き続き決算などの材料を手掛かりとした物色が活発となりそうだ。新興市場では今週、180社前後が決算発表を予定している。足元では業績期待の高い銘柄で決算を先取りする動きも散見され、投資家の中小型株に対する物色意欲の強さが窺われる。

今週は1月30日にスパークス・グループ<8739>、31日にユナイテッド<2497>、セリア<2782>、テリロジー<3356>、テラプローブ<6627>、2月1日にMS-Japan<6539>、2日にフリークアウト・HD<6094>、3日に夢真HD<2362>、アドバンスト・メディア<3773>、ドリコム<3793>、ラック<3857>、日特エンジニアリング<6145>、サン電子などが決算発表を予定している。ドリコムはスマートフォンゲーム「ダービースタリオン マスターズ」の想定以上の立ち上がりで第3四半期業績を上方修正済み。新たに開示される通期見通しが注目される。直近IPO銘柄のMS-Japanなども業績期待が高い。

IPO関連では、1月27日に上場し未だ初値が付いていないシャノンの動向が注目される。今週の新規上場銘柄はないものの、31日まで安江工務店<1439>のブックビルディング(BB)期間となっているほか、2月1日から日宣<6543>のBB期間となる。《FA》

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