新興市場見通し:円安一服で中小型株に物色シフト、テーマ株が活況

2017年1月7日 15:21

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記事提供元:フィスコ


*15:21JST 新興市場見通し:円安一服で中小型株に物色シフト、テーマ株が活況
年末年始の新興市場は、円安進行と日経平均の上昇が一服するなか、中小型株への物色シフトを背景に堅調な展開となった。これまで上値の重かったマザーズ主力株がもち合いを上放れる動きを見せたほか、17年の期待テーマを探る動きから人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの関連銘柄が賑わった。マザーズ売買代金は足元で1000億円台を回復している。なお、12月26日から1月6日までの騰落率は、日経平均が+0.1%であったのに対して、マザーズ指数は+8.4%、日経ジャスダック平均は+3.3%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が同期間で6.2%高、そーせいグループ<4565>が同10.0%高、サイバーダイン<7779>が同5.3%高となった。そーせいグループは上値抵抗となっていた25日線を突破している。また、AI関連のサイジニア<6031>、金属リサイクル関連のリネットジャパングループ<3556>、一部証券会社のレポートで業績期待の高まったマイネット<3928>などが大きく上昇した。反面、イグニス<3689>は利益確定売り優勢の展開が続いた。エイトレッド<3969>やイノベーション<3970>といった直近IPO銘柄も換金売り圧力が強まった。ジャスダック主力では、セプテーニ・HD<4293>が同19.0%高と大きく上昇し、クルーズ<2138>が同9.4%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同9.1%高と堅調だった。また、VR関連の材料をきっかけにアイフリークモバイル<3845>が人気化し、AI関連の日本サード・パーティ<2488>や5G(第5世代移動通信システム)関連のアイレックス<6944>などが買われた。一方、12月期末の権利落ちで日本マクドナルドHD<2702>や大塚家具<8186>などが売られた。IPOでは、12月27日にティビィシィ・スキヤツト<3974>がジャスダックへ新規上場した。16年最後のIPO案件ということもあり、公開価格の3倍を超える初値を付けた。

今週の新興市場は、中小型株物色の流れが続き、強含みとなることが想定される。マザーズ指数は節目の1000pt回復を試す場面も出てきそうだ。1月下旬から10-12月期の決算発表が本格化するまでは、中小型のテーマ株・材料株に短期の値幅取り狙いの物色が向かいやすいだろう。また、今週は9-11月期の決算発表がピークとなるため、これら銘柄の業績動向にも注目しておきたい。

今週は1月10日にTOKYO BASE<3415>、セラク<6199>、11日にドーン<2303>、USEN<4842>、放電精密加工研究所<6469>、12日に農業総合研究所<3541>、エディア<3935>、エルテス<3967>、13日にブロッコリー<2706>、串カツ田中<3547>、IGポート<3791>、メディア工房<3815>、Gunosy<6047>、ロゼッタ<6182>などが決算発表を予定している。このうち、USENは先週、第1四半期の業績観測が報じられている。また、上期の上方修正を発表済みのGunosyは通期見通しへの期待が高まりそうだ。

IPO関連では、1月27日のシャノン<3976>上場まで1ヶ月ほどのIPO空白期間となっている。シャノンは仮条件決定が10日、ブックビルディング期間が11日からの予定。また、先週は安江工務店<1439>(2月10日、ジャスダック・名証2部)の新規上場が発表されているほか、ラーメン店「一風堂」を展開する力の源HDが3月にもマザーズに上場すると報じられている。《FA》

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