【今週の振り返り】日銀買い東芝ショックに勝てず313円下落の週

2016年12月31日 17:37

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記事提供元:エコノミックニュース

7週連続上昇のトランプ・ラリー特急。それを停車させたのは、東芝だった。29日には東証1部売買高の28.4%を占めた。それでも年間騰落かろうじてプラスで終了

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 26日の日経平均は小幅に3営業日続落。前週22日のNYダウは23ドル安。耐久財受注額は市場予測を上回り、7~9月期の実質国内総生産(GDP)確定値は速報値から上方修正されたが、個人所得、個人消費支出(PCE)は市場予測を下回り、週間新規失業保険申請件数も市場予測より悪いなど経済指標はまちまち。NY時間のドル円は117円台前半、ユーロ円は122円台半ば。大阪先物夜間取引終値は19360円、CME先物清算値は19380円だった。

 前週末23日の上海市場は0.94%安。イタリアの銀行モンテ・ディ・パスキ・デ・シエナが増資による自力再建をあきらめ、イタリア政府の公的支援投入が決まったニュースが伝わったが、23日のヨーロッパ市場は小幅高と小幅安が入り交じり、まちまち。19日に繁華街の露天市にトラックで突入し多くのベルリン市民を死傷させ列車で逃げていたテロリストは、23日にイタリアの警官隊と銃撃戦の末、ミラノに死す。EUの「シェンゲン協定」で、野良犬も犯罪者もテロリストも国境を自由に往来する。23日のNYダウは14ドル高。NASDAQもS&P500もプラス。ミシガン大学消費者態度指数確報値も新築住宅販売件数も市場予測を上回り、原油先物価格は小幅高で終値53ドル台だったが、クリスマスの3連休直前の週末で2万ドルに接近することもなく、上値は重たく小動きに終始した。トランプ次期大統領の核武装増強発言は大勢に影響なし。債券市場、商品市場は短縮取引で、長期金利は低下。NY時間の為替レートはドル円が117円台前半、ユーロ円が122円台後半。大阪取引所は休場。CME先物清算値は19400円。

 日経平均始値は33円安の19394円。高値は2時41分の19432円。安値は9時59分の19385円。終値は31円安の19396円。26日朝方の為替レートはドル円が117円前半、ユーロ円が122円台半ば。26日はクリスマスの25日が日曜日のため欧米、オセアニアなど主要市場は振替休日の休場で、海外投資家の多くもクリスマス休暇中。取引開始前に11月の企業向けサービス価格指数が発表され、前年同月比+0.3%で3年5ヵ月連続のプラスだが、上昇幅は10月の+0.5%から縮小。10月31日、11月1日の日銀金融政策決定会合の議事要旨は、9月に導入したイールドカーブコントロール(長短金利操作)についておおむね肯定的だった。

 19400円割れの日経平均もTOPIXも小幅安でスタート。序盤は19400円をはさんで上下20円ほどの値動き。海外のリスク要因は中国限定だが、中国人民銀行の対ドルレートはほぼ前週末の水準、上海市場は小幅な下げで中国リスク心配なしを確認して10時台は19400円台前半で安定。しかしプラスにタッチできない。前場はその後ずっと小幅安で推移し、前引けは17円安。TOPIXは-4.46でマイナス幅が大きく、日銀のETF買いの条件を満たした。

 後場はほぼ前引け水準で再開。1時すぎにプラスにタッチしたが、タッチしただけで前場と同じ小幅マイナス圏19400円台前半での小動きが続く。2時に発表された10月の景気動向指数改定値は、一致指数が+1.0ポイントで速報値の+1.4ポイントから上昇幅圧縮。先行指数は+0.8ポイント。景気の基調判断は「改善を示している」で据え置き。11月の外食売上高は+1.7%で3ヵ月連続プラス。日経平均は2時台に再びプラスにタッチしてもTOPIXはマイナス。黒田日銀総裁が講演で「(2%のインフレ目標は)十分なのりしろが必要」と述べたが、反応薄。為替のドル円が円高に振れて117円をたびたび割り込み、自動車など輸出関連セクターが軟調。それでも日経平均は終盤、前日終値付近でもみあって終値がプラスでもマイナスでもおかしくない状況だったが、大引け直前に商いを伴って急落し19400円を割り込んで終了した。ローソク足は終値が始値とほぼ同じの「十字足」だが、逆さ十字架。7月22~26日以来5ヵ月ぶりの3営業日続落でも50円安、16円安、31円安で、20日から100円も下がっていない「日柄調整」。この日、日銀のETF買い742億円は入っていた。入っていなかったら大幅安だったかもしれない。

 日経平均終値は31.03円安の19396.64円。TOPIX終値は-5.68の1538.14で、下げ幅が0.37%で日経平均の0.16%の2倍以上ある。売買高14億株、売買代金1兆6302億円の薄商いで、クリスマスで海外投資家が来ないためカレンダーによる「低体温」の特異日。値上がり銘柄数は848、値下がり銘柄数は1040。プラスは8業種で、その上位はその他製品、精密機器、医薬品、食料品、サービス、水産・農林など。マイナスは25業種で、その下位は輸送用機器、石油・石炭、鉱業、鉄鋼、ガラス・土石、銀行など。上海総合指数は0.40%高だった。

 27日の日経平均は4営業日ぶりの小反発。26日はNY証券取引所、CMEをはじめ欧米、オセアニアのほとんどの市場がクリスマスの振替休日で休場。大阪夜間取引終値は19340円。朝方の為替レートはドル円が117円台前半、ユーロ円が122円台半ばだった。

 日経平均始値は43円安の19353円。高値は10時39分の19478円。安値は開始直後9時0分の19352円。終値は6.42円高の19403円。取引開始前に月末恒例の政府の経済指標の発表。12月は27日と、官庁御用納めの28日の2日に分かれる。11月の有効求人倍率は1.41倍で3ヵ月連続の上昇。25年4ヵ月ぶりの高水準。その1991年7月は、バブル経済崩壊前で「不透明感」が漂っていた程度の時期。完全失業率は3.1%で10月から0.1ポイント悪化し市場予測より悪いが、新規求職者が+9万人と大幅増だった影響。正社員の有効求人倍率は0.90倍に上昇した。消費者物価指数は、11月全国は-0.4%で9ヵ月連続マイナス、12月東京都区部は-0.6%で10ヵ月連続マイナス。11月の家計調査の二人以上世帯の実質消費支出は-1.5%で、野菜高騰で生活防衛に走るなど財布のヒモは依然堅く、総務省の基調判断は「弱い動きがみられる」で据え置き。雇用状況が引き続き改善しても個人消費は盛り上がらなかった。

 年内受け渡し(決済)の売買期限で、12月決算銘柄の権利付き最終売買日の日経平均はマイナス圏、19300円台半ばでスタートする。TOPIXもマイナス。しかし開始直後を底にすぐプラスにタッチし、9時台は前日終値付近でもみあうが、10時台は為替のドル円の117円台半ばまでの円安進行に合わせ、右肩上がりに上昇していく。10時30分発表の中国の11月の工業企業利益は+14.5%で10月の+9.8%から大きく改善。香港市場は休場。上海市場は前日終値付近でもみあい。11時台の日経平均は19450円付近で小動きし、前引けは+55円。TOPIXもプラスなので日銀のETF買いが入る可能性なし。原子力事業で1000億円を超える特別損失の計上が報じられた東芝<6502>は10%を超える大幅安。半導体メモリーが好調で通期業績見通しを何度も上方修正し株価上昇を続けた「東芝バブル」が、もろくも崩壊した。

 後場は前引けより20円ほど高く19400円台後半で再開するが、0時台はその前半に押し戻される。それでもまだプラス圏だったが、1時台は19440円付近から19400円割れのマイナス圏までズルズル下落した。為替に変化はなく、薄商いの中、日銀買いが入らないと年内決済したい利益確定売り勢力に押されてしまう。2時に11月の住宅着工戸数が発表され、+6.7%で5ヵ月連続プラス。金融機関が住宅、特に相続税対策での建設に貸し込んでいるため貸家は+15.3%のハイペース。13ヵ月連続のプラス。持ち家は+2.7%。分譲住宅は-1.8%、分譲マンションは-6.9%。だが、オーナーは採算割れの家賃では貸さないので、条件の悪い賃貸の空き家があふれる結果を招きかねない。後場の残り時間、日経平均は前日終値をはさんでプラスになったりマイナスになったり。TOPIXはマイナス圏に沈む。結局日経平均は小幅プラスで4営業日ぶりに反発し19400円台確保。TOPIXは4営業日続落だった。

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