基礎研究への研究費は減っていない?河野議員がデータ元に意見募集中

2016年11月12日 11:54

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 近年では大学の研究予算、特に基礎研究に対する研究予算が削られているという話を聞くが、これに対し河野太郎衆議院議員がデータを集めて公開、意見を求めている(河野太郎氏の公式サイト)。

 ここでは総務省統計局の科学技術研究調査を元に、国公私立大学における2001年から2014年度の基礎研究/応用研究/開発研究費の金額が提示されおり、これによると13年間ですべての分野で研究費の金額が増えている。これに加え、平成元年度から平成28年度の間で科学技術振興費は社会保障費と同レベル以上に延びていることも示されている。

 また、国立大学法人への運営交付金は削減されているものの、各種補助金を加えると国立大学へ支給されている金額は増加しているという指摘や、国立大学研究者一人当たりの研究経費が増えているという話も示されている。

 これらに加え、国立大学法人かされた平成16年度と平成28年度とを比較すると、「学生数が1万4千人減少したのに対して、教員が4千人弱増加し、職員は2万4千人近く増加」とのデータも示されている。

 これらを踏まえ河野議員は「基礎研究にまわる研究費が削られているという話は、何を根拠としているのでしょうか」「運営費交付金の減額分が科研費で補われているとして、運営費交付金から研究費に回るものは、ある程度均等に配賦されていたのに対して、競争的資金では勝ち組と負け組の間で格差が大きくなったということがあるでしょうか」「人事管理が計画的に行われていたのでしょうか」などとの疑問を呈すとともに、これらに対する意見をコメントフォームで受け付けている。

 研究費や研究者への交付金についてはさまざまな意見があるとは思うが、まずはこのようにデータを示して意見を求めるというやり方は評価したい。ご意見のある方はぜひ河野議員に投げて欲しいところだ。

 ブログの公開後すぐに意見が寄せられているようで、これに対し河野議員が返答やそれによって生まれた新たな疑問を記したブログを次々に公開している(続研究者の皆様へ続々々研究者の皆様へちょっと研究者の皆様へ)。

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