リコー、野村HD、SUMCOなど/本日の注目個別銘柄

2016年10月28日 16:27

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記事提供元:フィスコ


<7908> きもと 270 +27急伸で一時ストップ高。ボーイング社とのコンサルティング契約締結を発表している。航空機の製造過程で使用される高精度テンプレート作成に関して、次世代に向けたコンサルティングを行う契約を締結した。業績インパクトは未知数であり、今期の影響は軽微ともされているが、技術力が必要とされる航空機向けでの契約締結を受けて、今後の展開の広がりなどが期待される状況にも。

<3436> SUMCO 1010 +78大幅続伸で高値更新。シリコンウエハ大手であるSiltronicでは、ウエハの需給逼迫を背景に、一部の顧客と17年第1四半期より300mmウエハ価格の値上げを議論しているとコメントしているもよう。ゴールドマン・サックス証券(GS)では、同社に対してポジティブな示唆であると指摘しているようだ。なお、Siltronicの株価は足元で上昇基調を強める展開になっている。

<7752> リコー 858 -39大幅続落。前日に発表した決算内容が嫌気されている。4-9月期営業利益は165.5億円で前年同期比70.5%減益、従来計画の210億円を大きく下回った。通期予想は550億円から400億円にまで下方修正へ。下方修正した通期予想は市場コンセンサス500-510億円を下回る。発表した構造改革も効果の見極めには時間を要するとの見方。モルガン・スタンレーMUFG証券では「アンダーウェイト」に格下げ。

<8604> 野村HD 527.1 +25.8大幅続伸。前日に4-9月期の決算を発表している。7-9月期の純利益は612億円となり、市場予想の450億円レベルを大きく上回っている。好調だった前四半期も上回る内容に。リテールセグメントが予想以上に好調、プライマリー案件の販売好調などが押し上げ要因に。株式市場の売買代金が低迷する中、想定以上の好決算との評価に。前日のドイツ銀行の上振れ決算なども安心感につながる。

<7248> カルソカンセイ 1330 +300ストップ高比例配分。米KKRが日産保有分を含めて4000億円で買収すると報じられている。KKRはもともと、日産保有分の売却に関して、2次入札に参加などと伝わっていた。今回、買収規模が4000億円と伝わったことで、買収プレミアムが意識される展開になっている。前日終値をベースにすると同社の時価総額は2800億円程度、4割強のプレミアムが期待される状況にある。

<6724> エプソン 2124 +131大幅反発。前日に4-9月期の決算を発表、営業利益は278億円で前年同期比33%減益、通期予想は700億円から600億円に下方修正している。通期予想の市場コンセンサスは680億円レベルであった。対ユーロの為替レートを120円前提から110円前提に修正したことによる。想定以上の下方修正とはなったが、大容量インクタンクモデルの販売見通しを上方修正するなど、円高を除くと総じて堅調との見方にも。

<4452> 花王 5418 -325大幅続落。1-9月期累計営業利益は前年同期比13%増の1312億円となったが、7-9月期では同4%の減益に転じている。四半期ベースで続いてきた増益が途切れる形に。おむつ事業の伸び悩みなどが背景と見られる。通期予想は1840億円で据え置いているが、市場コンセンサス1920億円レベルまでの到達は難しくなってきたとの見方にも。

<7205> 日野自動車 1137 -26続落。昨日発表した決算が嫌気される展開になっている。4-9月期営業利益は329億円で前年同期比39%減益、通期予想は800億円から600億円に下方修正している。実績値は市場予想並みの水準であるが、下方修正値は若干の未達予想であったコンセンサスを大きく下回り、ネガティブに捉えられている。海外販売の停滞に加えて、国内でも販売競争が激化する方向に。

<6702> 富士通 608.4 +9.1小幅反発。前日は想定以上の好決算を背景に大きく上昇したものの、本日は利食い売りが優勢となっている。みずほ証券では投資判断を「買い」から「中立」に格下げ、目標株価は620円を継続としている。コア事業の成長力底上げ施策に関しては、成果刈り取りには相当の時間を要すると判断しているもよう。なお、マッコーリー証券では投資判断を「アウトパフォーム」に格上げしている。《XH》

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