ルノー・日産+三菱自アライアンス、正式に発足

2016年10月25日 08:58

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

三菱自の会長にも就任するゴーン氏は、「アライアンスの一員となった三菱自がお客さまの信頼を取り戻すことにコミットしている」とするが、三菱自に対する不信感を払拭するのは、容易ではないはずだ

三菱自の会長にも就任するゴーン氏は、「アライアンスの一員となった三菱自がお客さまの信頼を取り戻すことにコミットしている」とするが、三菱自に対する不信感を払拭するのは、容易ではないはずだ[写真拡大]

日産自動車は10月20日、三菱自動車の発行済み株式の34%を取得し、三菱自の筆頭株主となったと発表した。この結果、三菱自は、ルノーと日産のグローバルなアライアンスの一員となった。このアライアンスの2016年度グローバル販売台数は1000万台に達する見込みだ。

 日産と三菱自の両社は今後、共同購買、現地サプライヤーの拡大、生産拠点の共用、共通プラットフォーム開発、新技術の開発分担および成長市場や新興市場での両社のプレゼンス拡大で協力する。

 日産のCEOであるゴーン氏は、「日産、三菱自動車、ルノーのチームは、グローバル自動車業界において新たな勢力となります。アライアンスは、スケールメリットを創出するとともに、あらゆるセグメントにおいてお客さまのニーズに応えるクルマをお届けできる革新的な技術や生産能力を有する、世界トップ3の自動車グループのひとつになるでしょう」と述べた。

 日産による三菱自への支援は、三菱自の燃費不正問題発覚後、同社の取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の益子修氏からの要請を受けて決定。両社は、これまでも過去5年にわたり国内市場向け軽自動車の開発で協業してきた。

 ゴーン氏は、「私たちは、アライアンスの一員となった三菱自がお客さまの信頼を取り戻すことにコミットしています。この取り組みを、両社の拡大した協力関係によるシナジーや成長ポテンシャルを追求すべく、最優先事項として進めていきます」

 また、「この戦略は、グローバル自動車産業がかつてない大変革を遂げようとしている中で、両社がこれまでに持つ強みや経営能力を活用し、さらなる競争力と長期的な株主還元を目指すものです」とも述べている。

 この戦略を推し進めるため、日産は三菱自の取締役候補として、次期三菱自会長候補に選出されたゴーン氏を含む以下の4名を推薦した。グローバル渉外部門およびチーフサステイナビリティオフィサーを務める川口均氏、グローバルコントローラーおよびグローバルアセットマネジャーの軽部博氏、すでに三菱自動車の取締役として日産から派遣されている山下光彦氏だ。山下氏は、三菱自の開発担当副社長およびエグゼクティブコミッティのメンバーとして就任している。(編集担当:吉田恒)

■関連記事
三菱自、遂にJリーグ「浦和レッズ」株売却へ。Jリーグ株保有規則を受けて
三菱自に処方すべきクスリは何がある? 再検査でも不正、報告は9月末まで
燃費不正防止策「抜き打ちや不正時効力停止」へ
燃費虚偽に30万円以下の罰金と指定効力停止
三菱自動車燃費不正「納税不足約7億円」総務相

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事