ドレスドアンドレスド 2017年春夏コレクション - モラルという遊び心

2016年10月22日 22:50

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記事提供元:ファッションプレス

 ドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2017年春夏コレクションが、2016年10月19日(水)に東京・渋谷ヒカリエにて発表された。

 モーレス、モラル、マナー。今シーズンは、集団における規律を意味するその3つの言葉を念頭に置いた。

 始まりを飾ったのは、シンプルなスーツに透明感ある白いコートを合わせたルック。2ルック目もハーフパンツのスリムなフォーマルスタイルだ。しかし、1人、2人と姿を現すごとに最初にあったテーマとはかけ離れていく。ダブルブレストのデフォルメされたコートや、袖が膝程にまでだらんと伸びたシャツなど、元来正装に用いられるはずのアイテムがアレンジされている。

 アイテム同士がぶつかることで、その規律はさらに緩和。シャツにはシャツを羽織って、あるいはデニムのルックに“きっちりと”サスペンダーを合わせて、さらにはストッキングを連想させるヌーディーなトップにだらんとベルトののびたトレンチコートを合わせて…。あげればきりがないが、根本は制服であっても最初の念頭に置いた3つの言葉からはかけ離れたものばかりである。

 終盤には、片袖のないトップスやアウターまで登場する。さらに片側は、袖山部分が外れてしまっていて肌があらわになっている状態。それなのに、今までだらんと前を空けてきていたシャツはピタッと一番上のボタンまで閉めて、トレンチコートはしっかりベルトを結んだ丁寧な着こなしだ。

 デザイナーの北澤武志と佐藤絵美子曰く、モーレス、モラル、マナーという言葉に繋がるようなフォーマルなものをストリートのユーモアで工夫したという。また、時折見せた官能的な露出は、規律とは真逆にある人間の羞恥な部分をとらえたもの。そして、佐藤が先シーズンから今シーズンに至るまでの中で出産し、子供への想いがさらなる遊び心あるデザインに繋がったようだ。

 今回が節目の10シーズン目。2人が作り出すファッションの“規律”はこれからも私たちを楽しませてくれそうだ。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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