幻の北斗星にまだ乗れる!?寝台列車ホテル

2016年9月18日 19:55

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 2015年8月に惜しまれつつ廃止された寝台列車・北斗星。ニュースなどでも大きく取り上げられたので、鉄道ファンならずとも記憶に残っているのではないだろうか。その北斗星の実車パーツが内装に再利用された宿泊施設の開発をJR東日本が発表した。その名も「Train Hostel 北斗星」。一体どのような宿泊施設なのだろうか。

 JR東日本グループでは急増している訪日外国人観光客の多様なニーズに対応するため、インバウンド施策を推進している。その中で、低廉で長期宿泊が可能な施設の開発が企画され、その内の一つが「Train Hostel 北斗星」である。「旅の道中が楽しくなるホテル」を目指し、北斗星の車両で実際に使われていた2段ベッドなどを再利用している。狭い2段ベッドタイプの部屋と個室があるところなど、本物の寝台列車の雰囲気を体感できるポイントだろう。その他にも寝台列車の車内を再現したこだわりが細部にまで及んでいるという。

 施設内に観光情報ブースを設け、東北地方を中心とする観光情報の提供も行われる。これは北斗星が現役の頃に運行していた上野駅~札幌駅間を疑似体験してもらうことにより、訪日外国人を中心とした施設の利用者に東日本への旅行を喚起するという狙いがある。また、施設のスタッフは全員英語での対応可能で、ホームページは英語、韓国語、中国語に対応しているなど、インバウンド対策に特に力を入れている。

 北斗星が運行廃止した現在、JRの運行する寝台列車はごくわずか。客車の老朽化や利用客の減少で次々と運行廃止になっている。定期運行されているのは東京~出雲間の寝台特急「サンライズ出雲」と東京~高松間の寝台特急「サンライズ瀬戸」のみである。臨時運行されている列車もあるが、チケットの獲得はかなり難しい場合がほとんどだ。そのような状況の中、寝台列車を疑似体験できる「Train Hostel 北斗星」は訪日外国人のみならず日本の鉄道ファンや寝台列車を知らない世代の人まで幅広い需要が期待できそうである。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
フリーWi-Fiの認証を簡略化 電話での登録が台場で可能に
大阪は若い世代で人気  国籍や年代による観光スポット訪問率の違いが明らかに
「タクシーの日」って知ってますか? 全タク連とトヨタ、タクシー車開発で協働
リニア新幹線全線開業・最大8年前倒し 総理
拡大するインバウンド消費。2016年も増加の見通し

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事