後場に注目すべき3つのポイント~決算を手掛かりとした個別対応、来週の経済対策を意識した物色に

2016年7月28日 12:28

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記事提供元:フィスコ


*12:28JST 後場に注目すべき3つのポイント~決算を手掛かりとした個別対応、来週の経済対策を意識した物色に

28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・決算を手掛かりとした個別対応のほか、来週の経済対策を意識した物色に
・ドル・円は104円87銭付近、ドル弱含み、米9月利上げ期待の後退で
・ファナック、三菱自動車など13社の目標株価変更

■決算を手掛かりとした個別対応のほか、来週の経済対策を意識した物色に

日経平均は反落。114.56円安の16550.26円(出来高概算9億1000万株)で前場の取引を終えている。日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいとする模様眺めムードが強い相場展開となった。27日の米国市場はまちまちの展開となり、ナスダックの上昇などは、前日の米アップルの時間外の上昇で織り込み済みに。シカゴ日経225先物清算値は大阪比120円安の16590円だったが、これにさや寄せする格好となっている。また、為替市場では1ドル104円台と円高に振れて推移していることも手掛けづらくさせている。

日経平均は寄付き直後に16600円を回復する場面もみられたが、その後はじりじりと下げ幅を広げており、前場半ばには一時16450.28円と16500円を割り込む場面をみせている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の7割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも下落。セクターでは鉱業、卸売、水産農林、非鉄金属が小じっかり。半面、空運、その他製品、銀行、サービス、電力ガス、保険、小売が冴えない。

日経平均は5日線を挟んでのこう着をみせている。一目均衡表では雲上限レベルを支持線として強弱感が対立している。日銀の金融政策決定会合を控えてリスク回避を意識したポジション圧縮の流れもあろう。チャート形状をみると、雲上限は16500円近辺から、来週には一気に16240円辺りまで切り下がりをみせてくる。雲に沿った調整をみせてくる可能性もあるため、より様子見姿勢が強まりやすいだろう。

物色は決算を手掛かりとした個別対応のほか、来週の経済対策の発表を意識した政策関連などでの短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりそうである。


(株式部長 村瀬智一)

■ドル・円は104円87銭付近、ドル弱含み、米9月利上げ期待の後退で

28日午前の東京外為市場では、ドル・円は弱含む展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)の9月利上げ期待が後退したことが背景。ドル・円は、朝方の取引で105円43銭を付けた後、輸出企業による月末の円買いがみられたほか、日経平均株価の弱含みで105円を割り込んだ。市場では、FRBが9月利上げに消極的だったとの見方から、やや失望感が広がった。

104円後半には個人の買い意欲が観測されており、ドルは105円付近から大きく下落する展開とはなっていない。ただ、ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いが続き、日銀の政策発表を明日に控えた状況でもあるため、積極的なドル買いは入りにくいだろう。また、米原油先物ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が供給過剰の長期化懸念で弱含みが続いており、目先はリスク回避の円買い要因として意識されそうだ。

ここまで、ドル・円は104円65銭から105円43銭、ユーロ・ドルは1.1053ドルから1.1075ドル、ユーロ・円は伸び悩み、115円87銭から116円71銭で推移。

12時15分時点のドル・円は104円87銭、ユーロ・円は116円13銭、ポンド・円は138円71銭、豪ドル・円は78円84銭で推移している。


(為替・債券アナリスト 吉池威)

■後場のチェック銘柄


・ファナック<6954>、三菱自動車<>など13社の目標株価変更
・値下がり寄与トップは富士フイルム<4901>、2位ファーストリテ<9983>、2銘柄で日経平均を約29円押し下げた

・ココカラファイン<3098>、コロプラ<3668>、サノヤスHD<7022>などがストップ安
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・プーチン大統領
「ドーピング・コントロールに対する統一した国際的要求を作る必要があると確信」

・ユーログループ議長
「スペインとポルトガルは財政健全化努力が不十分なのに、欧州委が対処しないのは残念」

☆後場の注目スケジュール☆


<国内>
・日銀金融政策決定会合(29日まで)


<海外>
・特になし《WA》

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