米裁判所、Yahoo!メールの削除済みメッセージの復元方法を説明するよう米Yahoo!に命じる

2016年7月26日 18:41

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 英国での裁判で証拠となったYahoo!メールの削除済みメッセージについて、米Yahoo!がどのように復元したのか説明を求める開示請求に対し、米国・カリフォルニア州北部地区連邦地裁の下級判事が請求を認め、8月31日までに証言者や資料を用意するようYahoo!に命じている(裁判所文書MotherboardBetaNews)。

 請求者は英国への麻薬密輸を共同謀議したとして20年の実刑判決を受け、控訴を計画している。請求者は控訴の根拠の一つとして、Yahoo!が違法に収集した証拠が使われた点を挙げており、そのための証拠を確保する目的がある。

 請求者は仲間との連絡にYahoo!メールを使用していたが、電子メールを送受信するのではなくアカウントを共有し、メッセージを下書きに保存して読み終わると削除していたという。しかし、Yahoo!が提供したアカウントのスナップショットには大半のメッセージが含まれていたそうだ。

 Yahoo!側はこれらのメッセージが自動保存された下書きの古いバージョンだと説明。下書きの古いバージョンにユーザーがアクセスすることはできないが、自動でクリーンアップが実行されるまでは最新バージョンを削除しても保持されるのだという。

 しかし、自動保存の動作に関するYahoo!側の説明は一定せず、Yahoo!への非公式な請求で得られる情報には限りがあるため、裁判所に開示請求を行ったようだ。請求者側はYahoo!がリアルタイムでアカウントを監視し、データを収集していた可能性も指摘している。

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