後場に注目すべき3つのポイント~銀行など回転が利きづらい

2016年7月1日 12:24

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記事提供元:フィスコ


*12:24JST 後場に注目すべき3つのポイント~銀行など回転が利きづらい
1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・銀行など回転が利きづらい
・102円88銭付近、ドルもみあい継続、中国PMIの下振れに反応薄
・日立国際、ニトリなど6社の目標株価変更

■銀行など回転が利きづらい

日経平均は続伸。103.93円高の15679.85円(出来高概算8億9000万株)で前場の取引を終えた。6月30日の欧米市場は、欧州中央銀行(ECB)が債券購入のルール緩和を検討との報道が材料視されて上昇。欧州市場は全般堅調だったほか、NYダウは3日連続で200ドルを超す上昇となった。シカゴ日経225先物は大阪比230円高の15740円となり、朝方はこれにさや寄せする格好となった。

ただし、日銀短観が予想を上回ったことで追加緩和期待が後退したほか、中国の6月財新製造業PMIが予想を下回ったことなどから、日経平均は寄り付き水準でのこう着となっている。また、円相場が1ドル102円台後半、1ユーロ114円台前半と円高で推移していることも重石となっている。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1400を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは水産農林、精密機器、化学、金属、食料品、電気機器がしっかり。半面、空運、鉱業、石油石炭、倉庫運輸、不動産が一服。

日経平均は一時15765.00円まで上げ幅を広げる場面もみられたが、その後は寄り付き水準でのこう着が続いている。指数ではソフトバンクグ<9984>がマイナス圏での推移となり、日経平均の重石に。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも上昇しているが、大型株指数の伸びの鈍さが目立つ。また、円相場が東京時間になると円高に振れて推移しており、これも上値追いを慎重にさせている。

日経平均は5日続伸ではあるが、インデックスに絡んだ商い次第といったところ。銀行などは上昇しているものの寄り付き水準を下回っており、回転が利きづらいだろう。ただし、自律反発の中、上げ幅を縮める局面においては押し目拾いの買いは入りやすいだろう。押し目買い、戻り売りのスタンスとなる。


(株式部長 村瀬智一)

■ドル・円は102円88銭付近、ドルもみあい継続、中国PMIの下振れに反応薄

日経平均株価の堅調地合いが続くなか、ドル・円はもみあう展開が続いている。足元は102円80銭付近で推移。今日発表された中国・6月製造業PMIは、50.0(予想:50.0、前回:50.1)、中国・6月財新製造業PMIは48.6(予想:49.2、前回:49.2)となった。予想を下振れたが、ドル・円への影響は限定的。

ここまでの取引は、ドル・円は102円83銭から103円39銭、ユーロ・ドルは1.1095ドルから1.1117ドル、ユーロ・円は114円17銭から114円76銭で推移した。

12時18分時点のドル・円は102円88銭、ユーロ・円は114円23銭、ポンド・円は137円28銭、豪ドル・円は76円77銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)

■後場のチェック銘柄


・値上がり寄与トップはテルモ<4543>、2位はKDDI<9433>、それぞれ日経平均を10円前後押し上げ
・日立国際<6756>、ニトリ<9843>など6社の目標株価変更
・大日住薬<4506>は連日で取引時間中の年初来高値を更新

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・香港休場
・米・債券市場は短縮取引《WA》

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