触れて、学び、考える。こどもの日に考えたい、子供向けイベント・CSR活動の今

2016年5月5日 10:22

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記事提供元:エコノミックニュース

 5月5日は子供の日。GW期間中ということもあり、毎年、日本全国各所で子供向けのイベントが開催される。旅行やテーマパークなどはもちろん、最近ではお金をかけなくても無料で行けるおでかけスポットも増えており、賑わいを見せている。

 例えば、東京お台場にある日本科学未来館は「子供の日」は、18歳以下だと無料で入館できる。最先端のロボットやドームシアター、宇宙飛行士で同館館長でもある毛利衛氏の総合監修による常設展「100億人でサバイバル」など、楽しみながら学び、考えることができる。

 パンダでお馴染みの上野動物園は、普段は小学生以下と、都内在住・在学の中学生は無料で入園できるが、こどもの日は都外の中学生も入園料(通常200円)が無料になる。さらに、5月4日のみどりの日は、無料開園日で大人も無料で入れるのでおすすめだ。

 変わったところでは、自作パソコンの販売等で知られるパソコンショップ「ドスパラ」が、自作PCセット『パーツの犬モデル』の組立教室『~ゴールデンウィークは窓辺とおこと高橋敏也先生と一緒にパソコン自作チャレンジ~』を開催。ゴールデンウィークに親子でパソコンを作るワークショップ的な体験イベントを行った。最近は楽しいだけでなく、学んだり実際に体験できたりする催しに注目が集まるようだ。

 また、GW期間に限らず、近年は子供向けのCSR活動も盛んに行われるようになってきた。株式会社リバネスが2006年から運営している「教育応援プロジェクト」による「教育応援グランプリ2015」では、川崎重工<7012>の実験工作教室「マイオートバイをつくろう! ?みんなの工夫で未来が変わる!?」や東レ株式会社<3402>の「サイエンスをもっと楽しく。?青空サイエンス教室?」、三井製糖株式会社<2109>の「未来をつくる、砂糖の研究に挑戦!」などの活動が評価されたが、これ以外の出展企業のCSRも、その企業の業務内容を活かした大変興味深いものばかりで、大人もわくわくするような魅力と学びに溢れた活動が展開されている。

 大企業だけでなく、地域に根差した中堅企業でも積極的に子供向けのCSR活動を行っている。木造注文住宅を手がける株式会社アキュラホームだ。同社はグループ会社のオカザキホームと共同で「木望(きぼう)の未来プロジェクト」を実施。間伐材で製作した小学校学習用机の天板を寄贈し、交換するという活動を行っているが、その際、出前授業やカンナがけ体験など行うことで、森林の大切さなど自然環境を学べるようになっている。この活動は 2010 年より始まって、今年で6年。2014 年度までに間伐材で製作した小学校学習用机の天板が合計 8230枚。2015年度は1666枚となっている。

 ちなみにアキュラホームでは手掘りのドリルを使って井戸掘りを体験し、水の大切さを学ぶ授業「井戸掘り大作戦」なども実施しており、とくに今回、熊本を中心に九州を襲った大地震の影響などもあって、授業内容に注目が高まっている。

 日本は少子高齢化社会に突入し、政府は躍起になって少子化対策を進めている。しかし、そうそう簡単にV字回復するようなものでもない。しかも、単純に数だけの問題ではなく、一人一人の質を高めることも大切だ。学校や塾だけでは学べないことを、企業や団体から学び、少数精鋭の社会を目指すことも、今の日本には必要なことかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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