日立、シンガポールのRO膜・水関連設備の子会社を合併―アジアで水事業を強化

2016年3月18日 17:42

印刷

 日立製作所は18日、RO膜システムと水関連設備のエンジニアリングを手掛けるシンガポールの子会社2社を合併すると発表した。合併によって、アジア地域や島しょ国でリゾートや商業施設、高層集合住宅向けの水・環境ソリューション事業の強化や経営効率向上を図るという。

 同社によると、今回合併するのは、インフラシステム事業の東南アジア地域統括会社の100%子会社である、日立アクアテック・エンジニアリング(Hitachi Aqua-Tech Engineering)とアクアワークス・アンド・エンジニアリング(Aqua Works and Engineering)。合併後の存続会社は日立アクアテック社となる。4月1日時点の資本金は2,000万シンガポールドル(約17億円)、従業員数は150名となる予定。2015年度の売上高見通しは、3,100万シンガポールドル(約25億円)。

 合併によって、アジア地域や島しょ国で、リゾートや商業施設、高層集合住宅向けの水・環境ソリューション事業の強化を目指す。日立アクアテック社のRO膜システムとアクアワークス社の水を利用した景観設備を組み合わせた総合提案力の強化や、両社の顧客基盤を通じた受注機会の拡大、経営リソースの集約による経営効率の向上を図るという。

 合併後の日立アクアテック社では、2018年に、シンガポールやモルディブなどを中心としたアジア地域や島しょ国で、売上高約3,800万シンガポールドル(約30億円)を目指すとしている。

 同社によると、RO膜システムは、飲料水の確保のための海水淡水化システムや、生活・産業排水を工業用水などへ再利用可能とする水処理システムの中核製品として活用されている。また、アジア地域の新興国やリゾートでは、RO膜システムとともに、噴水やプールなど水を利用した景観設備の需要拡大も見込まれているという。

関連記事