日本ではキャリアアップできない? 働く外国人の本音

2016年2月25日 11:26

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記事提供元:エコノミックニュース

経済産業省が先日行ったアンケートでは、「日本は生活の場としての魅力は高いが、働く場としての魅力がない」という評価が出てしまった。理由には「希望のする職場と実際に働く職場とのミスマッチ」や「根強い年功序列制度」が目立つ。日本人労働者が感じることと、大差がないことが分かる。

経済産業省が先日行ったアンケートでは、「日本は生活の場としての魅力は高いが、働く場としての魅力がない」という評価が出てしまった。理由には「希望のする職場と実際に働く職場とのミスマッチ」や「根強い年功序列制度」が目立つ。日本人労働者が感じることと、大差がないことが分かる。[写真拡大]

 日本で働く外国人が約90万8000人となり、3年連続で過去最高を更新したと厚生労働省が発表した。国籍では中国が前年比3%増の32万3000人でトップ。2位のベトナムはなんと80%増の11万人、16%増のフィリピンが10万7000人で続いている。在留資格別では、留学生が前年比31%増の19万2000人。技能実習生が同16%増の16万8000人だった。業種は製造業や流通業などが多く、現場の人手不足を補っている。

 慣れない環境で働く外国人労働者たち、彼らの職場満足度はいかほどなのか。日本最大級の外国人向け生活情報サイト「GaijinPot(ガイジンポット)」を運営するジープラス・メディアがこのほど、サイトに登録をしている外国人約15万人を対象に職場についての満足度調査を行った。

 その結果、満足度が比較的高かったのは意外にも「同僚との人間関係」で「満足している」「どちらかといえば満足している」を合わせると65.2%の人が満足しているという結果になった。「業務内容」については、63.1%、「労働時間」は49.6%、「給与」は42.5%の人が満足しているという結果となった。そして「職場全体の総合評価」では、約60%が「とても満足している」あるいは「それなりに満足している」と答えた。

 一方で、一番満足度が低いという結果となってしまったのが「キャリアパス(社員育成制度)」の項目だ。「(非常に/どちらかといえば)満足している」は24%にとどまり、「どちらかというと満足していない」と「満足していない」が4割を超えてしまったのだ。これは受け入れ先の企業に、外国人労働者は「あくまで一時的な人手不足対策」という感覚が根強く残っていることが一因だと考えられる。

 しかし、これは外国人に限った話ではないという見方もある。技能労働者のキャリア形成に役立つ適切な教育訓練を行い、必要な資格の取得を後押しする。資格取得者や高度な技能を持った人には、それに見合った処遇をする。今後企業に求められていくことだが、実はこれは日本人だけの企業でもなかなか進んでいないのではないか。今の職場には強い不満はないが、将来性に不安がある-。これは日本人も外国人も変わらないのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)

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