レクサス最上級のスポーツクーペ「LC500」の実像とは? 注目はエンジン?ミッションなのか?

2016年1月27日 11:37

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

新世代レクサスを象徴する「LC500」のエクステリアデザイン。オーバーハング、とくにリア側が切り詰められヨー慣性モーメントの低減が図られている。エンジンは5リッターV型8気筒、10ATを組み合わせる

新世代レクサスを象徴する「LC500」のエクステリアデザイン。オーバーハング、とくにリア側が切り詰められヨー慣性モーメントの低減が図られている。エンジンは5リッターV型8気筒、10ATを組み合わせる[写真拡大]

 今春、1月11日に開催された北米国際自動車ショー(デトロイト)の特設ステージでレクサスは、新型のハイパフォーマンス・ラグジュアリー・スポーツクーペ「LC500」をワールドプレミアした。その後、多少ではあるが追加情報が分かったので報告する。

 今年のデトロイトショーで、もっとも注目を集めたのは2ドアクーペの流麗なレクサスLC500だった。プラットフォームは完全なる新設で、最上級サルーンの次期LSもこれを共有するといわれる。日本での発表はおそらく2016年末と思われる。ちなみに、カンファレンスで登壇したのは同社の豊田章男社長。デトロイトショーでスピーチするのはこれが初めてだ。

 LC500だが、実は今から遡ること4年前の2012年のデトロイトショーで、このLC500のベースとなる「LF-LC」のデザインスタディを発表していた。

 今回発表のLC500の全長×全幅は4760×1920mmというロング&ワイドなディメンションだが、全高は1345mmとかなり低く抑えられている。ホイールベースは長く2870mmだ。いわゆるスポーツクーペで典型とも言えるワイド&ロー・スタイルのロングノーズ&ショートデッキ。

 このクーペの最大のアピールポイントは、このデザインにある。新開発FRプラットフォームを採用しシャシーを新開発したことで、トヨタ車ベースというデザイン的な制約がなくなった。結果、タイヤは大地に踏ん張るように四隅に配置され、そこに低いルーフの魅力的なエクステリアが載る。

 フロントに245/40RF21サイズ、リアに275/35RF21サイズのタイヤを装着する。当然ながらフロント・ミッドシップ・レイアウトとなっており、高剛性ボディ、新開発マルチリンク式サスペンションを採用する。

 そのフロントフード下に搭載するエンジンは5リッターV型8気筒NAだ。最高出力は475ps/7100rpm、最大トルクは530Nm(54.1kg.m)/4,800rpm〜5600rpmだ。駆動方式は先にも述べたようにFR。新開発の10速オートマチックトランスミッション(10AT)と組み合わせるというから驚きだ。フラッグシップスポーツとして不足のない動力性能を披露するに違いない。

 さらにフロントタイヤを前進させ、前後オーバーハングの重量物を取り去り、スポーツクーペとしての理想的なバランスを獲得している。

 ボディ外板にはアルミやCFRP(炭素繊維強化樹脂)を使用するなど、軽量化も徹底。走行性能向上を目的に低重心化、ヨー慣性モーメントの低減が図られている。これがもたらす走り味は、軽快であり奥行きのあるものに違いない。絶対的な速さにも期待したい。が、むしろ運転しやすく、気持ちのいい走り味がLC500の身上だと思える。(編集担当:吉田恒)

■関連記事
2016年も米国市場頼みの自動車メーカー各社。そこが失速すると何が起きる……?
レクサス、フラッグシップクーペとして「LC500」をデトロイトで世界初公開
省燃費を目指したガソリンエンジンのダウンサイズターボ化が止まらない
トヨタの2016年世界販売、前年とほぼ横ばい
第4世代「新型プリウス」の技術的エポックは数多い。PCU、バッテリー、そしてボディが3大ニュースか?

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事