【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カナモトは16年10月期営業利益横ばい予想だが増額余地、増配予想も評価

2016年1月26日 07:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 カナモト<9678>(東1)は建設機械レンタル大手である。国内ではM&Aも活用して業容を拡大し、長期ビジョンで成長エンジンと位置付ける海外展開も強化している。1月21日にはニシケンを子会社化すると発表した。16年10月期の営業利益は横ばい予想だが増額余地がありそうだ。20年東京五輪に向けた関連工事の加速などで中期的に事業環境は良好であり、16年10月期増配予想も評価材料だ。株価は地合い悪化の影響を受けたが、調整が一巡して戻り歩調の流れだろう。

■建設機械レンタルの大手

 建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタルなども展開している。北海道を地盤として東北、関東、中部、近畿、九州にも営業拠点網を拡充して全国展開を加速している。

 1月18日には群馬長野エリア6店舗目となる熊谷営業所(埼玉県熊谷市)の開設を発表した。これにより当社の全国営業拠点数は177拠点、子会社・アライアンスを含めると360拠点となる。

 なお理工系研究開発要員をメーカー等に派遣している連結子会社カナモトエンジニアリングについては、15年8月に全株式を技術者派遣会社のトラスト・テック<2154>に譲渡した。

■国内ではM&Aも活用して業容拡大

 12年6月に道路建機レンタルと道路工事施工のユナイトを子会社化した。

 15年7月には有限会社ヱーワ商会(埼玉県)の全株式を取得して子会社化した。同社は大手ゼネコン向け汎用小型建設機械レンタルを主力としている。非連結子会社となるため業績面への直接的な影響はないが、東京都内および関東地域におけるサービス拡大や営業基盤強化に繋がるとしている。

 15年11月には、名岐エンジニアリング(岐阜県)および東友エンジニアリング(東京都)で構成されるグループとの、一部株式取得を含む建設機械レンタル事業に関する業務提携を発表した。トンネル工事向け有力プラントメーカーの名岐エンジニアリング、およびトンネル工事向けレンタルに強みを持つ東友エンジニアリングとの連携により、増加傾向のトンネル工事への対応力を高める。

 1月21日にはニシケン(福岡県久留米市)との間で、同社株式の3分の2以上を取得することを前提に子会社化することに関する資本業務提携契約書を締結したと発表している。株式受渡日は3月14日予定、業務提携に伴う事業開始日は3月下旬予定である。同社は建設機械レンタル事業ならびに福祉介護用品レンタル事業を、福岡県中心に九州各県や中国・近畿地方に展開している。当社として九州地区での事業基盤強化、および福祉介護用品レンタル事業への事業領域の拡大が期待できるとしている。

■17年10月期ROE10%以上目標、成長エンジンとして海外展開強化

 14年9月発表の新長期ビジョンおよび中期経営計画では、55期の19年を見据えたグループの目指す姿を新長期ビジョン「BULL55」として示した。そして実行計画である3カ年中期経営計画「BULL53」では、経営目標数値として17年10月期の売上高1500億円、営業利益190億円、ROA5.0%以上、ROE10%以上などを掲げている。

 海外では15年1月にインドネシアの現地法人が営業を開始した。新長期ビジョン「BULL55」で海外展開強化を今後の成長エンジンと位置付けており、インドネシアへの進出はその一環としている。

 そして15年6月にはベトナムにおける現地パートナー企業との合弁会社(当社出資比率80%)が営業開始し、15年7月にはタイにおける現地パートナー企業との合弁会社(当社出資比率49%)が営業開始した。

 なお環境保全設備や地下施設建設機械などの製造・レンタル事業を展開する子会社KGフローテクノは、14年4月に中国・上海に現地法人を設立している。

■公共工事が増加する第1四半期の構成比が高い収益構造

 14年10月期の四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(11月~1月)331億48百万円、第2四半期(2月~4月)310億64百万円、第3四半期(5月~7月)284億45百万円、第4四半期(8月~10月)328億98百万円、営業利益は第1四半期56億51百万円、第2四半期44億21百万円、第3四半期27億41百万円、第4四半期36億41百万円だった。

 公共工事が増加する第1四半期の構成比が高い収益構造のようだ。また14年10月期のROEは15.8%で13年10月期比3.5ポイント上昇、自己資本比率は33.6%で同1.4ポイント上昇した。配当性向は13.6%だった。

■15年10月期は営業微減益

 前期(15年10月期)の連結業績は、売上高が前々期比6.2%増の1332億92百万円、営業利益が同1.1%減の162億70百万円、経常利益が同0.5%増の161億64百万円、純利益が同2.8%増の95億57百万円だった。

 前々期のような補正予算関連工事がなかった地区は厳しい状況だったが、東北地区は震災復興工事関連、関東信越地区は再開発工事関連を中心に好調だった。拠点新設閉鎖については新設が8拠点、閉鎖が1拠点だった。売上総利益率は31.1%で同0.9ポイント低下、販管費比率は18.9%で同横ばい、ROEは14.4%で同1.4ポイント低下、自己資本比率は34.3%で同0.7ポイント上昇した。配当性向は13.1%だった。

 セグメント別に見ると、建設関連事業は売上高が同6.0%増の1235億72百万円、営業利益(連結調整前)が同2.0%減の155億92百万円だった。地域別に見ると北海道地区が同9.5%減収、東北地区が同19.7%増収、関東信越地区が同4.8%増収、関西中部地区が同2.0%増収、九州沖縄地区が同1.5%減収で、東北地区と関東信越地区が好調だった。中古建機販売については一定期間を経年した機械の計画的売却を進めて同26.6%増収だった。

 その他事業は売上高が同%増の97億19百万円、営業利益が同39.4%増の3億01百万円だった。鉄鋼関連、情報通信関連とも堅調に推移した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(11月~1月)363億27百万円、第2四半期(2月~4月)319億80百万円、第3四半期(5月~7月)306億49百万円、第4四半期(8月~10月)343億36百万円、営業利益は第1四半期63億06百万円、第2四半期43億46百万円、第3四半期18億46百万円、第4四半期37億72百万円だった。

■16年10月期増配予想、営業利益は横ばい予想だが増額余地

 今期(16年10月期)通期の連結業績予想(12月9日公表)は、売上高が前期比0.5%増の1339億円、営業利益が同0.4%増の163億40百万円、経常利益が同0.7%増の162億70百万円、純利益が同7.0%増の102億30百万円としている。

 前期同様に一部地区において公共工事の減少が予想されるとして営業利益横ばい予想だ。ただし東北被災3県における復興工事、首都圏における大規模再開発工事、さらに20年東京五輪に向けた関連工事の加速などで、東北地区および関東信越地区の好調が続く見込みだ。会社予想は保守的な印象が強く増額余地があるだろう。

 配当予想は同10円増配の年間45円(第2四半期末15円、期末30円)としている。予想配当性向は15.5%となる。配当政策については今後も事業環境に関わらず一定の配当を安定して行い、さらに業績に応じてさらなる利益還元を加えていきたいとしている。そのうえで、財務体質の強化と将来の積極的事業展開に必要な内部留保の充実を図ることを基本方針としている。

■中期的に事業環境良好で収益拡大基調

 国内では震災復興関連工事、激甚災害現場復旧工事、防災・減災・耐震化関連工事、老朽化インフラ補修・更新関連工事、都市再開発関連工事などが活発であり、リニア新幹線関連工事や20年東京夏季五輪関連工事も本格化する。中期的に良好な事業環境に変化はなく、建機レンタル需要は高水準で推移することが予想される。

 また中期経営計画に基づいて、関東・関西の都市圏や未出店エリアへの出店を加速させ、強固な営業基盤を構築する方針だ。今期(16年10月期)は収益改善が期待され、中期的には海外展開強化も寄与して収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化の影響を受けたが調整一巡感

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響で戻り高値圏3100円台から反落し、1月21日には2411円まで調整した。ただし25日には2600円台まで戻して調整一巡感を強めている。

 1月25日の終値2623円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS289円48銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は1.7%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1969円16銭で算出)は1.3倍近辺である。なお時価総額は約947億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、直近安値圏の十字足で調整一巡感を強めている。中期的に事業環境は良好であり、16年10月期増配予想も評価材料だ。戻り歩調の流れだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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