三井物産が中東オマーンで大型天然ガス発電事業を受注 総事業費は約2760億円

2016年1月12日 23:39

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記事提供元:エコノミックニュース

三井物産は4日、オマーンでの天然火力発電所の建設を受注したと発表した。今回は発電所建設の他、事業の運営も含まれている。

三井物産は4日、オマーンでの天然火力発電所の建設を受注したと発表した。今回は発電所建設の他、事業の運営も含まれている。[写真拡大]

 日本企業がまた一つ、中東で大きなインフラ事業に乗り出す。

 三井物産<8031>は4日、中東オマーンで天然ガス火力プラントの建設・運営事業の受注を発表した。この事業はサウジアラビアの発電・水インフラ事業会社、アクアパワー社とオマーンの投資会社、Dhofar International Development and Investment Holding Co.と共同でオマーンの電力・水公社の発電事業入札に参加した結果、受注が決まったもので、総事業費は日本円で約2760億円にのぼる大型案件となる。

 今回の事業は発電所の建設・保守から運営に渡るまで幅広く手がけることができるBOO(Build and Own方式)の運営方式が取られる。この共同発電事業の出資率は三井物産が50.1%、アクアパワー社が44.9%、Dhofar International Development and Investment Holding Co.が5%であり、三井物産が筆頭出資社となる。

 今回建設されるのは天然ガス焚き複合火力発電プラントで、オマーン北部の工業地区、イブリとソハールの2か所が予定されており、夫々出力はそれぞれ1450MW、1700MWだ。今後の予定であるが、想定では2019年内に両地区発電所の商業運転を開始するとしている。

 オマーンでは00年代から発電需要が急増しており、国内での安定した電気供給が急務。発電は天然ガス火力発電が90%を占めており、今回の事業もこうしたオマーンの発電事情に合わせたものとなっている。

 中東は地域そのものが治安面で懸念されるのが現状だが、インフラ事業をはじめとするビジネスのチャンスは多い。14年には三菱商事<8058>がヨルダンで太陽光発電事業、11年には丸紅<8002>と中部電力<9502>がオマーンでガス発電事業に参加しており、中東での日本企業の活躍は目を引くものがある。

 高いインフラの技術でもって中東諸国との信頼関係を築いてきた日本企業が、今後日本と中東との友好関係の要となることは間違いなさそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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