IHI、中国・四国地方初の温泉熱利用の小型バイナリー発電装置を鳥取県に納入

2015年10月28日 11:20

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協和地建コンサルタント湯梨浜地熱発電所(IHIの発表資料より)

協和地建コンサルタント湯梨浜地熱発電所(IHIの発表資料より)[写真拡大]

 IHIとIHI回転機械(ICM)は27日、中国・四国地方初となる温泉を熱源とするバイナリー方式の発電設備として、小型バイナリー発電装置「ヒートリカバリー“HRシリーズ”」を「協和地建コンサルタント湯梨浜地熱発電所」(鳥取県東伯郡湯梨浜町)向けに納入したと発表した。

 IHIの「ヒートリカバリー」は、70℃~95℃の温水を利用して少量の温水でも最大で20kWの発電が可能な装置。他の地域で温泉熱を利用した発電で複数の納入実績があり、少量の温水でも効率よく発電可能なことなどから、同事業に採用されたという。発電装置本体はIHIが、冷却塔など付帯設備と建設工事はICMが担当した。

 この装置で発電した電力は、送電網(商用電源)に接続することが可能なため、自家用として利用可能なだけでなく、地熱(温泉)による再生可能エネルギー固定買取制度を適用した売電も容易であることから今回の受注に至ったという。

 発電所では、約90℃の温泉熱を利用して発電するほか、熱回収後の温泉は従来どおり浴用などとして配湯される。そして、2016年4月以降は、湯梨浜町により経済産業省の地熱開発理解促進事業を活用した発電後の熱水の二次利用事業も開始される予定で、地熱資源の利活用がさらに進む計画となっている。

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