【今週の振返り】大台割れ寸前から515円戻し40円上昇の週

2015年8月1日 22:55

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記事提供元:エコノミックニュース

いろいろな出来事があった7月も、結局は月間で349円の上昇。「終わり良ければ、全て良し」で済ませて、それでいいのだろうか?

いろいろな出来事があった7月も、結局は月間で349円の上昇。「終わり良ければ、全て良し」で済ませて、それでいいのだろうか?[写真拡大]

 27日の日経平均は続落。前週末24日のNYダウは163ドル安で4日続落と下げ止まらない。週間でも約500ドル、2.9%の大きな下落。中国のPMIに続きユーロ圏のPMIも悪く、世界的な景気不透明感によるリスクオフで商品市場が下落。原油先物は3月以来の安値に沈む。

 アマゾンは黒字転換したがバイオジェンの決算が悪く、大統領候補ヒラリー・クリントン前国務長官がキャピタルゲイン課税の大幅アップを提案するニュースも下落に追いうちをかけた。CME先物清算値は20375円。27日朝方の為替レートはドル円が123円台後半、ユーロ円が135円台後半だった。

 日経新聞・テレビ東京調査の安倍内閣支持率は50%対38%で不支持が支持を上回った。海外では政権支持率のような「政治リスク」はカントリーリスクの重要な評価基準なので気になる数字。取引開始前に日銀が発表した6月の企業向けサービス価格指数は102.9で前月比横ばい、前年同月比は+0.4%。日経平均は25日移動平均20419円を割り込む170円安の20374円で始まる。TOPIXは2ケタのマイナス。

 序盤は午前9時20分に20324円まで下落するが、売りが一巡した後、それを底に反転して10時すぎには20400円台に定着して25日線も回復。さらにマイナス幅を圧縮し10時6分に20486円まで急伸する。しかし20500円はタッチできずあっさり折り返し、20400円台をキープしながら小動き。上海市場はマイナスで始まるものの下げ幅を圧縮していた。下値のサポートラインになりやすい25日線の20419円の少し上でウロウロしていたが、前引けは25日線を割り込んで150円安の20394円だった。

 中国政府当局が「買い支えた株式の市場再放出」と、いくら何でも早すぎる「出口戦略」の話が飛び出して上海総合指数が折り返して下げ幅拡大に転じると、日経平均も後場は下落幅をさらに拡大し20353円で再開する。やっぱり中国は「伏魔殿」。

 為替はドル円が123円台半ばまでやや円高進行。20300円を割り込んで午後1時6分に20278円まで下げるが、売り物をこなすとすぐ20300円台に戻って底堅い。6月の外食売上高は全店ベースで-2.3%と悪かった。日経平均はおおむね20300円より少し上の水準を維持しながら推移し、終盤20350円付近まで上昇して194円安の20350円で終えた。日中値幅は208円で前週よりやや大きい。TOPIXも続落。上海は終値8.48%の大幅下落で終了した。

 日経平均終値は194.43円安の20350.10円、TOPIX終値は-17.96の1637.90。売買高は18億株、売買代金は2兆2330億円で75営業日連続2兆円以上で記録更新。値上がり銘柄数は219、値下がり銘柄数は1606。値上がり業種は海運、ゴム製品、鉱業の3業種のみ。値下がりは30業種で、その下位はその他金融、その他製品、化学工業、パルプ・紙、電気・ガス、医薬品、証券などだった。

 28日の日経平均は3日続落。NYダウ終値は127ドル安の17440ドルで、1月以来の5日続落になり2月2日以来の安値。要因は上海市場の大幅下落と原油先物価格の4日続落で、シェブロンやエクソンモービルが大きく下げた。耐久財受注が+3.4%で3ヵ月ぶりのプラスでも焼け石に水。金先物は大幅反発した。為替のドル円は一時122円台までドル安が進み123円台前半。ユーロ円は136円台後半。CME先物清算値は20165円だった。

 日経平均は161円安の20188円で始まる。日足一目均衡表の「雲」は19948~20206円で、7月13日以来約2週間ぶりに雲の中に入る。TOPIXは1620でスタート。CME先物清算値を割り込み午前9時34分に20093円まで下落して75日移動平均20180円も下回り、これも7月13日以来。前週の安定した相場を一変させチャイナリスクおそるべし。20100円台に戻っても上海が3日続落4%安で始まると10時32分に20070円まで連れ安する。それでも上海が下げ幅を圧縮するにつれて20180円付近まで戻した。

 とはいえ、上海市場は東京の大引け後、取引終了直前になると決まって大きく下落する〃病気〃にかかっていて「魔の時間帯」と呼ばれている。11時すぎに再び20100円割れしても、前引けは191円安の20158円まで戻して終えた。

 昼休み中にその上海市場が下げ幅を急速に圧縮して一時プラスにも浮上。ドル円も40銭ほど円安に振れたので後場は雲を抜けて20300円台に乗せて再開する。午後0時32分にプラス圏まであと1円未満の20349円まで急速に上昇するが、そこから折り返して前日終値を超せないまま時間が経過する。それでも1時30分を回るとようやくプラスに浮上し、すぐに20400円にもタッチ。TOPIXはマイナスのままなので完全に先物主導の動き。ほぼプラス圏を保ったまま20300円台後半で推移し20400円台にもタッチする。

 上海は小幅安が続き、TOPIXはプラスになれない。プラスマイナスどちらで終わってもおかしくなかったが、終値は21円安の20328円。TOPIXも1630を割り3日続落。2万円割れ目前からのリカバリーが上値を抑えられ中途半端に終わり、日中値幅は353円もあった。上海は1.68%のマイナスで終了した。

 日経平均終値は21.21円安の20328.89円、TOPIX終値は-8.44の1629.46。売買高は21億株、売買代金は2兆5774億円で新記録継続。値上がり銘柄数は719、値下がり銘柄数は1033。10業種が上昇し、その上位は水産・農林、電気・ガス、食料品、その他金融、パルプ・紙、情報・通信、建設など。サービスはプラスマイナスゼロ。22業種が下落し、その下位は海運、銀行、機械、輸送用機器、保険、鉄鋼、卸売などだった。

 29日の日経平均は小幅だが4日続落。NYダウはS&Pケース・シラー住宅価格指数がやや低下し、消費者信頼感指数が前月比-12.9ポイントで4年ぶりの大幅低下だったので立ち上がりはマイナスだったが、上海の下げ幅が小さかったこと、ヨーロッパ市場の堅調、自律反発でジリジリ上昇し、6日ぶりのプラスになり189ドル高。原油先物価格も5日ぶりに反発した。フォードの決算は好調。ドルが買い戻されドル円は123円台半ば、ユーロ円は136円台後半。CME先物清算値は20345円だった。

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